SAYONARA国立競技場 FINAL WEEK、「JAPAN NIGHT」音楽の力を世界に発信!
2014/05/30
スポーツの聖地、音楽の聖地として半世紀以上親しまれた国立競技場が幕を下ろす歴史的瞬間まで50時間余りとなった、5月29日午後5時半。2日間にわたる、同競技場最後の音楽イベント「JAPAN NIGHT」の最終公演が開演した。
テーマは「Japan to the World」。SEKAI NO OWARI、Perfume、MAN WITH A MISSION、L'Arc-en-Cielら、海外でも積極的に活動するアーティスト4組が「世界の人々に、日本の姿と日本の音楽の力を知ってほしい」という趣旨の下、集結した。同公演には、アジアのみならず、北米・南米、欧州など世界22の国と地域からメディア70社が取材に訪れ、日本の音楽に対する海外メディアの関心の高さを物語った。
6万人の歓声を受け、勢いよく燃え上がる炎と共に先陣を切ったのは、MAN WITH A MISSION。頭はオオカミ、体は人間という究極の生命体“5匹”からなるロックバンドだ。2011年にメジャーデビュー、今年秋にはエピックレコー ドから全米デビューを予定している。演奏が始まるや、観客は“縦ノリ”総立ち。両手のこぶしを突き上げて、28度を記録した熱い日差しに負けない熱気が、 同競技場を一気にのみ込んだ。
MAN WITH A MISSIONのステージの強烈な余韻が残るステージ転換時、アリーナ席、スタンド席では巨大なウエーブが幾重にも自然発生。観客が次のアーティストの出 番を待ちわびる中、SEKAI NO OWARIが登場した。レディー・ガガやマドンナのライブプロモーターとして知られるライブ・ネイションと提携し、海外活動を展開している。「スターラ イトパレード」「銀河街の悪夢」「RPG」など、生きることの苦しみ、喜び、希望を歌い上げた。
日没を迎え一帯が夕闇に包まれると、Perfumeが、最先端のデジタル技術を駆使した鮮やかな光と音のステージを繰り広げた。同グループは12年から活動を海外にも広げ、アジア4都市を回った海外ツアー「Perfume WORLD TOUR 1st」を実施。13年には「Perfume WORLD TOUR 2nd」で欧州3カ国(ドイツ、英国、フランス)を駆け巡った。「世界に発信するアーティスト」として、日本をもっと海外にアピールしていきたいと抱負を語り、「最初で最後の国立。建て替わったときにまた、日本代表として呼ばれるよう活動を頑張ります!」と締めくくった。
国立競技場最後の音楽イベント、その大トリは、ロックアーティストとして同競技場で金字塔を打ち立てたL'Arc-en-Ciel。同グループは、12年にロックバンドとして初の同競技場公演を成功させ、今年3月に開催した二度目の公演では2日間で16万人を動員、同競技場でのライブ動員数記録を塗り替えた。海外では12年に、日本人初となるニューヨーク・マディソン・スクエア・ガーデンでの単独公演をはじめ、日本人のバンドとして過去最大規模のワールドツアーを敢行した。
ボーカルのhydeが「最後の舞台に呼ばれて光栄です。みんな悔いのないように一緒にはじけようぜ!」と声を上げると、ステージ前面と屋根上方から何十もの火柱が一斉に上がり、スタンド席後方まで会場全体が炎で包まれたよう。NHKバンクーバーオリンピック放送テーマソング「BLESS」のアカペラ独唱も織り交ぜながら、ハードで幻想的な世界で観客を魅了した。hydeは「ここまで開放的な風景は見納めだと思うので、しっかり目に焼き付けて帰ってほしい。国立の歴史に感謝を込めて、生まれ変わる未来に夢を乗せて、歌いたい」と語り、ラストナンバー「MY HEART DRAWS A DREAM」が演奏された。6万人が「夢を描くよ」と合唱する中、七色の風船が無数に放たれ、夜空に華麗な“L'Arc-en-Ciel”(フランス語で虹の意)を描いた。「また、ここで会おうね」の言葉とともに、同競技場最後の音楽イベントが幕を閉じた。
夜空を彩る“虹”は、未来への懸け橋。人々の感謝と希望を乗せて、空高く舞い上がった。