「ACC CMフェスティバル」入賞作決まるナイキの強いメッセージ性が評価
2013/09/27
全日本シーエム放送連盟(ACC)は9月26日、第53回「ACC CMフェスティバル」の入賞作品を発表。2097点の応募作品から、「総務大臣賞/ACCグランプリ」および各賞を選出した。
テレビCM部門のグランプリはナイキジャパンが受賞。岡康道審査委員長は「今回のテーマは『審査はメッセージである』とし、CMがメッセージを発しているかどうかを重視した。視聴の前後で見える世界が変わるような強い広告を作りたいと、われわれ制作者は常々考えている。ナイキのCMはそれを実現した」と語った。
ラジオCM部門はワコールが受賞。一言一句同じナレーションでも、女性向け商品、男性向け商品と前提を変えることで、聴取者の頭に全く異なる像を描かせた。澤本嘉光審査委員長は「企画する人の原点にラジオCMはある。アイデアによってこんなにも面白くなると、若いクリエーターに知ってほしい」とまとめた。
CMによる成果を重視するマーケティング・エフェクティブネス部門のグランプリは、分かりにくい機能をドラマ形式で表現したダイハツ工業/ムーヴのキャンペーンCMに贈られた。同車の売り上げは前年比150%超となった。
今回からテレビCM部門に、地域の優れた作品を表彰する「地域賞」、および個人の企画力やアイデアの力を表彰する「小田桐昭賞」が新設された。CMプランナーにとって歴史的存在である小田桐氏の名を冠した同賞の初回受賞者には、三井不動産リアルティ/三井のリハウス「声鉛筆シリーズ」(博報堂)を手掛けた黒田康嗣氏、藤田純平氏が輝いた。
各部門の総務大臣賞/ACCグランプリ受賞作品は次の通り。全入賞作品は、ACCホームページ内で閲覧できる。
【テレビCM】ナイキジャパン/ナイキベースボール「宣誓」編(Wieden+Kennedy Tokyo)
【ラジオCM】ワコール/企業「まったく同じナレーション」(電通)
【マーケティング・エフェクティブネス】ダイハツ工業/ムーヴ「その進化は事件だ。」〜新型ムーヴ導入キャンペーン(博報堂)
また同日、ACCは第3回「クリエイターズ殿堂」を決定。故・内田健太郎、大林宣彦、小林亜星、故・高杉治朗の4氏が受賞した。殿堂入りしたクリエーターの作品は、アド・ミュージアム東京(東京・港区)および放送ライブラリー(横浜市)で閲覧でき、今回の4氏についてもACC賞受賞作品を中心に追加される予定。