「日本のPR市場」を初めて推計、2014年度は4,351億円
「PR業売上」は推計948億円(前回から5.1ポイント増)
2015/05/28
日本パブリックリレーションズ協会はこのほど、PR業に関する実態調査を実施した。本調査は2007年から隔年で実施しているもので通算5回目の調査。
また、今年はPR業各社の実施業務に限らずに、広く実施されているPR業務全般について、その業際的市場規模の推計・把握に初めて取り組んだ。これらを受けて、「日本のPR市場」と「PR業売上」という2つの市場規模について報告する。
1.「日本のPR市場」について=推計市場規模:4,351億円
業際的に広義のPR市場をとらえるために、PR会社以外の業種/領域でPR業務を提供している対象業種を特定し、それぞれの業界/領域で提供されているPR業務の売上高を独自に算出した。算出されたそれぞれの売上高を「PR業売上」の推計値に加算し、新たに「日本のPR市場」として推計した。
「日本のPR市場」は、推計4,351億円となっている。
今回、PR業務の売上高を算出した対象業種/領域は次の通り。
イベント業界/ウェブ業界/出版業界(雑誌編集タイアップ領域)/リスクコンサルティング業界/広告代理店業界(行政広報領域)
2.「PR業売上」について=推計市場規模:948億円
当協会加盟155社、非加盟のPR会社48社、計203社を対象に「2015年PR業実態調査」を実施し、72社から回答が得られた。
各社の2014年度売上高に基づき未回答分も含めたPR業全体の売上高は推計948億円で、前回調査(2012年度)に比べて47億円の増加(+5.1ポイント)となった。
「日本のPR市場」推計および「2015年PR業実態調査」の概要は次の通り。
1.「日本のPR市場」推計調査について
調査主体:日本パブリックリレーションズ協会
協力:野村総合研究所、電通パブリックリレーションズ、電通、博報堂
作業期間:2014年12月~2015年3月
PR業務売上高の算出方法:
イベント業界/ウェブ業界/出版業界(雑誌編集タイアップ領域)/リスクコンサルティング業界/広告代理店業界(行政広告領域)について、それぞれの業界団体ならびに大手企業へのヒアリングを実施。公開情報の分析と合わせて各市場において提供されているPR業務の売上高を算出し、当協会が実施しているPR業実態調査に基づく「PR業売上」の推計値に加算し積算することで、「日本のPR市場」の総売上高を推計した。
使用参考データ:経済産業省経済産業政策局監修のイベント業界データ/ミック経済研究所発行
「ネット広告&Webインテグレーション市場の現状と展望」/電通「日本の広告費」など
2.2015年PR業実態調査について
調査対象:
日本パブリックリレーションズ協会の会員企業155社、非会員企業48社、計203社
調査方法:郵送法
調査実施時期: 2015年2月9日~2月27日
回収数:72社(回収率35.5%)
調査実施機関:マーシュ
〈PR業の推計売上高〉
PR業全体の売上高:948億円
前回調査時点の901億円に比べて約47億円の増加、105.2%の伸びとなっている。
〈調査結果のハイライト〉
- PR専業社の平均従業員数は42.1人※(前回は36.6人)
※42.1人は相加平均、中央値では15.5人 - 従業員の男女構成比は45:55。前回同様、女性進出が目立っている
- 取扱い業務で増加傾向にあるのは「ブランディング」(+14ポイント)「マーケティングコンサルティング」(+6ポイント)
- 一方、「リテナーでのPRコンサルティング」「記者発表会の実施・運営」「情報収集」「モニター・クリッピング」などは減少傾向
- 今後ニーズが増加する業務は「マーケティングコンサルティング」「オウンドメディア・ソーシャルメディアの企画・運営」「危機管理広報」がトップ3
- 今回調査からの新規項目「動画の制作・プロモーション」も35%が増加傾向にあると回答
- 業務上の課題は「人材育成・確保」(79%)、「新しいPR手法の開発」(68%)が上位に