小谷は、日本初の横型新聞「夕刊新大阪」、日本初の民間放送ラジオ・新日本放送局、大阪テレビ放送など数々のメディアの創刊・創設に関わった。また 戦後初めて共産圏からバイオリニストのダヴィッド・オイストラフを招聘したり、大阪万国博の「住友童話館」「電力館」の総合プロデュース、さらにはプロ野 球パシフィック・リーグの創設に関わるなど、不可能を可能にしたと言われる多くの仕事を成し遂げた。著者の岡田氏は、そんな小谷の元で働く一人の青年とし てすべてを目撃してきた。
戦後70年、焼け野原から復興し、新聞・雑誌・テレビというメディアが大河のごとく流れていった。この河 を源からたどり、身をそこにおく人のおもしろきこと、たくましきこと、哀しきことを今ここに見とどけておこうとする良書。「時代はいつだって白いキャンバ ス」そう言い残した小谷正一を追体験する。