第69回「新聞大会」開く
創刊140周年の地元・山形新聞は多彩な特集
2016/10/19
日本新聞協会は10月18日、新聞週間(10月15~21日)の中心行事として、第69回「新聞大会」を山形市の山形テルサで開いた。全国の新聞社や通信社、広告会社の代表ら506人が参加した。
山形市での開催は初めて。地元の山形新聞社は今年、創刊140周年を迎えた。
式典の冒頭、同社の寒河江浩二社長が歓迎のあいさつを行った。
日本新聞協会の白石興二郎会長(読売新聞グループ本社会長・読売新聞東京本社会長)は「新聞購読料への軽減税率を適用する法律が成立した。この税制上の措置は、正確で多様な情報を容易に入手できるよう読者の負担を軽減するとともに、新聞の公共的な役割を制度的に位置付けたものと理解している。これまで以上に、民主主義や文化の発展に尽くし、公共財にふさわしい役割を果たさなければならない」とあいさつ。新聞広告の可能性については「新聞広告賞受賞作品を見ると、全社挙げてのプロジェクト展開、新しい印刷技術の活用、他メディアとの連携といった広がりを見せている。新聞界が一致して成功事例をPRし、その魅力を広告主や広告会社に訴求したい」と述べた。販売改革、自由な言論の確保、 無購読者対策、災害時における新聞の役割の重要性などにも言及した。
続いて、大会決議「現場に密着した取材と多面的な報道により、民主主義の発展に貢献し、社会の公共財としての責任を果たすことを誓う」(要旨)を採択した。
この他、新聞協会賞の授賞式、工業デザイナーの奥山清行氏による記念講演「これからの100年をデザインする」や新聞各社代表による研究座談会「新聞界の直面する諸課題―逆境を乗り越える新聞経営」などが行われた。
新聞大会を山形市で開催するに当たり、10月14~16日、新聞の魅力をPRするイベントを同市内の商業施設「イオンモール山形南」で実施した。
ステージイベント「AKB48 チーム8と新聞を読もう」や、シンガー・ソングライターの佐藤梓さんによる「しんぶんのうた」コンサートなどが行われた。
また、山形新聞社は18日発行号で多彩な特集を展開した。
同社が所蔵する長谷川竹葉作の「山形県下名所図絵」を全面にあしらった見開き30段で本紙をラッピング。裏面は、同紙の創刊号などを掲載し、140年の歴史を振り返った。
新聞大会記念特集号として、第1分冊「つくる」と第2分冊「けらっしゃいYAMAGATAプロジェクトVol.2」を実施。山形県の産業や生産品、観光資源としての魅力などをアピールした。