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シンガポール発★ 日本人の「海外婚活」、海を越えたお見合い大作戦

2013/12/25

    約2時間続いたスピードデート。
    会話も弾んでいた=7日、
    シンガポール中心部(NNA撮影)

    留学や駐在・就職などの海外経験を持つ日本人の増加を背景に、シンガポールで日本人を対象にした初の婚活イベントが12月に開催された。シンガポール在住の日本人男性と、日本や海外在住の日本人女性が対象で、「同じ日本人」「海外経験の共有」をキーワードに、海を越えたお見合い大作戦が展開された。アジアの経済情報を配信するNNAが伝えている。

    2日間にわたる同イベントへの参加者は、両日それぞれ女性約25人、男性約25人、延べ約100人に達した。男性は全員がシンガポール在住者。女性は日本在住が半数弱、あとはシンガポール在住を中心に中国や域内各国から参加した。

    「就職だけでなく婚活も日本国内にこだわる必要はない」と語るのは、婚活イベント主催者のひとりである海外就職研究家の森山たつを氏。きっかけは、森山氏がアジア各地で各国在住の日本人から「日本人の異性との出会いがない」と耳にしたことだ。格安航空会社の登場で渡航費用は格段に安くなり、インターネットやスマートフォンの普及によりコミュニケーション手段も充実している現在、「海外婚活」の環境は整っていると考えた。

    もう1人の主催者、国際結婚サービスKaiwa-USA代表の松本直子氏によると、留学や海外駐在、外資系企業勤務の経験を持つ日本人女性が増加しており、その多くは日本国内での就業経験しかない日本人男性には「価値観のずれ」を感じているという。

    森山氏の「日本人限定の海外婚活」のアイデアに松本氏が賛同。イベント開催地については、日本人女性の平均的なイメージが良いシンガポールを選んだ。

    お互いのサイトやブログ、ツイッターなどを駆使してイベント告知したところ、予想を上回る参加希望者が集まったという。イベントは1日目の「スピードデート」で全員が対面、2日目は自由に会話できる「ランチタイム懇親会」を実施した。

    参加者はチェックシートに気に入った相手を記入、イベント終了後にお互いに関心を示した組み合わせには、主催者から相手のメールアドレスが送られてくる仕組みだ。

    参加費用は、シンガポール在住者が1日参加で150S㌦(約1万2300円)、2日で250S㌦。日本から参加した女性は宿泊費込みで4万8000円だった。

    日本からイベントに参加した女性は「留学経験があるためか、意見ははっきり言うタイプ。自己主張が強すぎると男性から言われることがある。海外経験のある男性ならば理解してもらえると思う」と話す。

    イベント終了後、参加した男性は「結婚を前提に集まるイベントなので、価値観や嗜好(しこう)について自由に話せるのがいい」とコメント。日本帰任時に備え、結婚相手は日本人女性を希望しているという。

    シンガポール在住の女性参加者も「在住日本人は少なくないのに、出会いの場は日本以上にないと感じる。こんなイベントを求めていた」「お互いに海外生活の苦労を分かち合えることは、絆を深めるチャンスになると思っている」といった意見が聞かれ、反応は上々だった。

    主催者側は今後も「海外婚活」を企画していきたいと意欲を示している。