第7回「全広連日本宣伝賞」各賞決まる
2019/01/24
全日本広告連盟(全広連)は1月21日、第7回「全広連日本宣伝賞」受賞者を発表した。「松下賞」を唐池恒二氏(九州旅客鉄道会長執行役員)、「正力賞」を高田明氏(ジャパネットたかた創業者、V・ファーレン長崎社長)、「吉田賞」を戸田裕一氏(博報堂DYホールディングス社長、博報堂会長)、「山名賞」を西村佳也氏(コピーライター)、「特別賞」を岸志津江氏(東京経済大副学長・経営学部教授)に贈賞する。各賞は5月16日開催の第67回「全日本広告連盟富山大会」(富山市芸術文化ホール)式典内で贈呈する。各賞の受賞理由は次の通り。
第7回「全広連日本宣伝賞」各賞受賞者と贈賞理由
■松下賞
唐池恒二氏
(九州旅客鉄道会長執行役員)
常務、社長などを歴任し、2014年に会長に就任。18年から現職。強い指導力と斬新な企画力により鉄道事業と不動産・飲食・流通事業などの成長にリーダーシップを発揮し、16年東証1部上場。高速船「ビートル」、観光列車「ゆふいんの森」などで九州の魅力を国内外に発信した他、クルーズトレイン「ななつ星 in 九州」の立ち上げに寄与、全国のJRグループにブームを起こした。東日本大震災が起きた11年、九州新幹線全線の開業CMが九州の地から日本に明るい希望を発信し、国内外の広告賞を受賞。広告の社会的使命を全うし広告界の発展に寄与した。
■正力賞
高田明氏
(ジャパネットたかた創業者、V・ファーレン長崎社長)
1986年、父親が経営する店から分離独立する形でカメラ店を創業。99年、ジャパネットたかたへ社名変更。後発のテレビ通販事業者ながら、自らの出演で売り上げを伸ばし、広告界の活性化に寄与。自社でCSデジタル放送の委託放送事業者の認可を取得し、佐世保の自社ビル内や東京にテレビスタジオを設けるなど、メディアとしての顔も持ち、幅広く業容を拡大。2015年に同社代表を退任後、17年には経営難だったJリーグクラブ「V・ファーレン長崎」をジャパネットホールディングスがグループ会社化し、クラブの代表に就任。経営再建に乗り出す。自ら先頭に立ちチームの認知を全国に広げ、地域活性化へも多大な貢献を果たしている。
■吉田賞
戸田裕一氏
(博報堂DYホールディングス社長、博報堂会長)
博報堂取締役、社長などを歴任し、2017年から会長。博報堂入社後、制作局でコピーライター、クリエイティブディレクターとして活躍、数多くの広告賞を受賞。経営企画室では03年、博報堂、大広、読売広告社3社の経営統合に当たり、博報堂DYホールディングスの発足に尽力。06年から博報堂DYホールディングス社長。博報堂DYグループの経営体制の強化を積極的に推し進め、広告界全体の発展に大きく寄与した。
■山名賞
西村佳也氏
(コピーライター)
サン・アドを経て、1975年にウエストビレッジ設立。多摩美術大教授などを歴任。現アマナデザイン顧問。コピーライターとして、サントリー山崎・ピュアモルトウイスキー「なにも足さない。なにも引かない。」、ウールマーク「触ってごらん、ウールだよ。」、西武百貨店「女の時代」他、日産、資生堂、日本生命、NTTなど名コピーワークの数々で広告文化史をつくり上げてきた。主な受賞歴はADC会員最高賞、TCC最高賞、毎日広告デザイン賞、クリオ賞、カンヌ賞など。長年にわたり広告界の発展向上に尽力した。
■特別賞
岸志津江氏
(東京経済大副学長・経営学部教授)
1996年度日本消費者行動研究学会会長、2010年度から16年度まで日本広告学会会長を務め、学会の発展に寄与するとともに、研究者として、日本の広告研究の発展に貢献。広告効果の理論、広告管理、統合型マーケティング・コミュニケーション、および消費者行動について研究を続けている。『現代広告論』などの著書をはじめとして広告教育において啓発的役割を果たし、さらに長年にわたり大学で教鞭をとり学部長・副学長職を務める。広告界にとどまらず各界に優秀な人材を多数輩出した功績は大きい。
「全広連日本宣伝賞」について
全広連は、日本宣伝クラブが1950年代から行ってきた「日本宣伝賞」の顕彰事業を2013年度から継承。必要な再編成を行い、全広連の公益目的事業のひとつとして育成、発展を行うもので、広告主(松下賞)、媒体社その他のメディア関係会社およびイベントその他のコンテンツのプロデューサー(正力賞)、広告関連会社(吉田賞)、クリエーター(山名賞)それぞれの立場から、広告の社会的使命の促進に関わる広告界の向上・発展に寄与したもの(個人)を年1回顕彰。「特別賞」として、広告の社会的使命の促進に特別に功労があった、と認められた場合は、上記4賞に加えて個人・団体を顕彰している。