第5回JACEイベントアワード 最優秀賞 経済産業大臣賞(イベント大賞)に「MRミュージアム in 京都」
2019/06/17
日本イベント産業振興協会(JACE)は6月12日、第5回JACEイベントアワード発表・表彰式を目黒区のホテル雅叙園東京で開催した。
同アワードは国内外の優秀なイベントを顕彰する制度で、今回は2018年に実施された国内外の171作品から優秀賞(部門賞)8作品を選出。その中からイベント業務管理士の投票により、「最優秀賞 経済産業大臣賞(日本イベント大賞)」「イベントプロフェッショナル賞」が決定した。「最優秀賞 経済産業大臣賞(日本イベント大賞)」は「MRミュージアム in 京都」(主催=臨済宗建仁寺派 大本山建仁寺、hakuhodo-VRAR)が、「イベントプロフェッショナル賞」には「MOVE 生きものになれる展」(主催=MOVE 生きものになれる展 製作委員会)が輝いた。
「MRミュージアム in 京都」は、大本山建仁寺と国宝「風神雷神図屏風」を題材に文化財のデジタル・トランスフォーメーションとして展開されたプロジェクト。400年前以上前に描かれた風神雷神図屏風をMR(複合現実)で鑑賞できる仕組みだ。絵画にまつわる背景をエンターテインメント性を持って体験できるイベントとして注目され、多くの来場者が訪れた。新しい取り組みとして、今後の美術館や博物館の在り方を変える可能性を秘めた将来性が評価された。
表彰式では、大本山建仁寺の僧侶・浅野俊道氏が代表として登壇し「マイクロソフトのデバイス『HoloLens』を使った新しい取り組みで、ストーリーテラーとして私も出演させていただいた。これからもいろいろな文化事業にこの技術を生かしてもらいたい」と喜びを語った。
イベントプロフェッショナル賞に選ばれた「MOVE 生きものになれる展」は、映像DVDと連携した新しいタイプの図鑑「MOVE」のコンテンツや世界観をベースとしながら、五感で生きものの知恵や技術を体験できる展覧会。“生きものになる”体験を通して、生物多様性や他者理解を学ぶことを目指した。観察者と観察対象の視点を入れ替える斬新な発想と、アイデアを子どもの体験レベルに落とし込み、五感での体験を実現させたことが評価された。
表彰式に登壇した電通ライブの塚本尚也氏は受賞の喜びとともに、「東京から始まったこの展覧会は、大阪、台湾の台北や高雄でも実施され、今後は香港でも開催を予定している。アジアから世界へと広がっていければと考えている」と展望した。
各賞の受賞作品・主催者は次の通り(敬称略)。各賞の詳細はJACEのウエブサイトで閲覧できる。
【最優秀賞 経済産業大臣賞(日本イベント大賞)】
MRミュージアム in 京都(臨済宗建仁寺派 大本山建仁寺、hakuhodo-VRAR)
※部門賞として「時空超越美術賞」を受賞
【イベントプロフェッショナル賞】
MOVE 生きものになれる展 (MOVE 生きものになれる展 製作委員会)
※部門賞として「こども共感賞」を受賞
【アオウミガメの涙賞】
「OGASAWARA 50 COLORS」小笠原 色いろ展(小笠原諸島返還50周年記念事業実行委員会)
【音感アップデート賞】
落合陽一×日本フィル プロジェクト(Vol.1 耳で聴かない音楽会 Vol.2 変態する音楽会)(日本フィルハーモニー交響楽団)
【アーバンスポーツ賞】
CHIMERA GAMES(CHIMERAプロジェクト 実行委員会[CHIMERA Union])
【扇子ビリティー賞】
Sense Your Aroma Gallery(ライオン)
【イベントで復元賞】
第24回春姫道中(本丸ネットワーク)
【あかりひとづくり賞】
燈籠祭(紀北町燈籠祭実行委員会)