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公開日: 2023/06/08

今話題のマーケティングトレンドワード5:2023年6月

 

ビジネスに限らず、あらゆるシーンで爆発的な盛り上がりを見せるAI。今では、AIをただ使うだけではなく、そのアウトプットの質を向上させるためにはどうすべきか、といったことにも注目が集まっています。そうした中で、「プロンプトエンジニアリング」などの技術は欠かせないものになっています。ビジネスにおけるビジョンや方向性を決定づける上で、こうした傾向はいち早く押さえておきたいところ。この記事では、今押さえておきたいトレンドワードを5つピックアップしてご紹介します。


 

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AIアウトプットの精度を高める「プロンプトエンジニアリング

 

画像や文章などのコンテンツを生成するAIの登場が話題となっている昨今。一方で、これらのAIから適切なアウトプットを引き出すためには、インプットの記述にコツが必要です。インプットの記述、つまりプロンプト作成のコツをつかみ、アウトプットの精度を高めるテクニックのことを「プロンプトエンジニアリング」と言います。例えば、ChatGPTを開発しているOpenAIが公開しているテクニックには「例を挙げて出力形式を明示」「やってほしくないことではなく、やってほしいことを言う」などがあります。コンテンツ生成AIの活用はまだまだ手探りですが、今後多くの産業で活用が期待されていることもあり、プロンプトエンジニアという職種も新たに登場しています。テクノロジー関連の大きなトレンドトピックとして、チェックしてみてはいかがでしょうか。

「スペパ」とは「スペース・パフォーマンス」の略で、限られたスペースをどれだけ効果的に活用できるかというキーワード。「費用対効果」を意味する「コスパ(コスト・パフォーマンス)」や、時間の有効活用を考える「タイパ(タイム・パフォーマンス)」に並ぶ概念です。さらに単なる省空間ではなく、スペースを小さくしながらも機能性は維持するというニュアンスも含んでおり、例えば近年では、ヘルスメーター機能を搭載した「スマートバスマット」のような、複数の用途で使えるアイテムは“スペパがいい”といわれています。そのほかにも、近年はスペパをうたう生活用品や家具、文房具なども登場。一般消費者にとっては居住空間を有効活用できるというメリット、事業者にとっては限られたスペースで生産性アップが望める、というメリットがあります。withコロナ時代によるワーキングスタイルの変化により、社会的にも注目が集まりつつあるキーワードです。

コロナ禍を機に、日用品や食料品をネットスーパーで購入したり、フードデリバリーを活用したりする生活スタイルが定着しつつあります。「クイックコマース」も流通UXを改善したサービスの1つで、その名の通り注文してから数十分以内など、短時間で商品を届けてくれるのが特徴です。以前からあったフードデリバリーなどと大きく異なるのは、ダークストア(商品ピックアップ専用の実店舗)やギグワーカー(スキマ時間で単発の仕事を請け負う労働者)を活用した点。その特性上、商品をストックする多くの拠点にかかるコストや認知度の低さなどが課題となるため、解消に向けた各事業者の工夫が求められています。現在は専門店やコンビニなど、限られた商品を取り扱う小売店でのサービス展開が多く見受けられますが、今後、多岐にわたる商品を扱うデパートや百貨店、ショッピングモールなどでも実現できるようになると、その周辺でまた新しいビジネスの機会が創出されるかもしれません。

近年急速に普及しているモバイル決済やネット送金は、金融とテクノロジーの融合によって提供されるサービスであり、フィンテック(Fintech)と呼ばれています。「ネオバンク」もフィンテックの一種で、銀行以外の企業が銀行免許を取得せず、主にスマートフォンを通じて金融サービスを提供する業態です(銀行免許を取得している場合は「チャレンジャーバンク」)。ネオバンクは実店舗を持たないものの、従来の銀行にはなかった、送金などのサービスを時間の制限なく受けられるといった利便性や高金利を提供し、UXを高めることで顧客を増やしています。調査会社のKBVリサーチ社のレポート(2021年)によれば、ネオバンクの市場は2026年に3000億ドル以上となる試算もあるとのことなので、今後の動向に注目しておきましょう。

電通報で扱っている ネオバンク に関連する記事はこちら

 


 

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P値問題(P値ハック)」で「統計的に有意差あり」の信頼性が揺らぐ?

 

医薬品などの効能を検討する際、「統計的に有意差あり」とされることは信頼性の高さを判断する指標になり得ます。しかし、「P値ハック(p-hacking)」という誤ったデータ分析手法が使われてしまうと、その信頼性は大きく崩れてしまいます。P値ハックとは、同じデータで何度も検定を繰り返したり、意図にそぐわないサンプルを事後的に除外したり、逆に意図に沿ったサンプルを選択的に抽出したりすることで、本来なら統計的に有意差がないデータにおいて、有意差を出やすくすること。ミスで起こる場合もありますが、意図的になされるケースもあり、学術的にもビジネス的にも問題視されています。そうした情報に惑わされないためには、サイエンスや統計学の知識を持つことも重要。基礎的な部分を学び、リスクヘッジをしておきましょう。


 

今月は、ますます注目が集まるAI関連用語のほか、業務効率やUX改善など、生産性を求めるトレンドワードもご紹介しました。AIの活用が進み、テクノロジーが日常生活により一層浸透してくる昨今、人間に必要なのはテクノロジーをはじめとしたさまざまなツールをどう活用するかという考え方や、工夫なのではないでしょうか。AIの活用について検討中の方、生産性アップをどう実現するかお悩みの方は、ぜひ一度私たちにご相談ください。

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