スポーツ関連の定額制動画配信サービス「DAZN(ダゾーン)」を運営するDAZN Japan Investmentは4月20日(月)に、メディア向け説明会を都内で開催。DAZN初となるFIFA World Cup 2026(以下、FIFAワールドカップ)配信に向けた戦略を発表した。DAZNでのFIFAワールドカップ配信は初となり、日本代表戦は全試合無料で中継する。なお、日本代表戦は地上波(NHK・日本テレビ系列・フジテレビ系列)でも放映される。
視聴体験の革新:データと映像が融合する「テクノロジーのFIFAワールドカップ」
まず、全104試合のライブ配信の実施や大規模なパブリックビューイングの展開など、体験強化の計画が発表された。
さらに、視聴者が自ら視点を選択できる「マルチアングル」を導入するという。4分割の画面で、選手目線、監督目線、あるいはピッチ全体を見渡す映像を楽しむことができる。AIを活用し、シュート速度や走行距離、ヘディングの高さといったデータを試合映像にリアルタイムに表示する「データテイメント」も導入予定。
DAZN Japanの笹本裕CEOは「テクノロジーのFIFAワールドカップになる」と語り、受動的に試合を眺めるのではなく、能動的に楽しめる視聴体験を提供する。
マーケティング戦略:「Fan Makes Fan」コンテンツ提供からコミュニティの提供へ
続いて登壇したマーケティング担当の治田耕一氏は、今回のFIFAワールドカップにおける戦略の核心を「Fan Makes Fan(ファンがファンを創る)」と定義した。コンテンツの消費(見る)よりも、文脈や背景への理解(知る)を優先し、ファン同士がつながっていく「コミュニティ」の形成を重視する。
全てのライブ配信でチャット機能「FanZone」を実施。ファン同士のコミュニケーションだけでなく、解説者やウォッチパーティ出演者ともつながれる。また、AIを活用したSNS動画拡散機能「MOMENT BOOSTER」を導入。AIが自動でピックアップした「ファンが熱狂した瞬間の動画」を、視聴者は試合を観戦しながらSNSに共有拡散できる。
治田氏は、コミュニティを提供することで、コアファンだけでなくライト層も巻き込み、分散視聴が進む現代において「集団的高揚感」を再構築することを目指すとしている。
広告ビジネスの進化:共体験とモーメントが生む新たなブランド価値
広告メディア シニアバイスプレジデント(SVP)の黒川佳則氏からは、「イノベーション広告」の強化について発表された。
前述のデータテイメントやXR技術を活用し、スタッツボード下へのロゴ掲出や、ゴール・交代・VARといった特定の「モーメント」に連動したアニメーション表示を行う。FIFAとの共同制作により、従来は難しかった自由度の高いブランド表現が可能となるという。
また、SNS連携によるDAZNアプリ外でのリーチ強化や、クーリングブレイクで新規広告フォーマットでのプロダクト化も行うという。
黒川氏は、「高エンゲージメントがビジネス成果に結びつく」ことの実証と可視化を最重視 するとし、視聴行動データと新フォーマットを組み合わせ、広告効果の可視化を推進 するとした。
21日には、DAZNはサッカーコンテンツに特化した年間プラン「DAZN SOCCER」の提供を開始。DAZNが配信するすべてのサッカーコンテンツを視聴できる販売期間限定の年間プランで8月30日まで加入できる。
DAZNは新しい視聴体験、進化したマーケティング・広告により「FIFAワールドカップといえばDAZN」というポジションを確立することを目指すとしている。

