セカイメガネNo.26
あなたは何系?
2014/07/23
「バ―で初対面の人に血液型を聞かれたらどう思う?」
「やだ、ちょっと引くわね」
「でも日本じゃそれが当たり前なんだ」
「きゃー」
という感じの会話を英国のラジオ放送で聴いたことがある。
A型はきちょうめん、O型は楽観的などなど、ヒトの気質や相性は血液型に左右される…と考える日本人は少なくない。科学的根拠はさておき、その手の本もたくさん出版され、面白がられている。私は血液型信者ではないけれど、血液型トークが英国の方々に奇妙に思われるとは、その放送を聴くまでは思ってもみなかった。
日本人は、人間を分類してそこに当てはめ、話のネタにするのが大好きだ。
昔から、目鼻立ちのはっきりした西洋風の濃い顔を「ソース顔」、目が細く、さっぱりした和風の顔立ちを「しょうゆ顔」と評して、「私の好みは、しょうゆだ」「ソースだ」と盛り上がる。先日クライアントの女性から「最近は塩系男子が人気らしいですね」と聞いた。塩。しょうゆよりさらに、あっさり。ヒゲなど生えてなくて(生えてないわけないけど)、色白、気付けばいつの間にかそこにいた… っていう感じの男子のことだそうだ。
異性を狩るのに積極的な「肉食系」といえば、最近では「男子」ではなく、もっぱら「女子」を形容する言葉になった。一方、穏やかで奥手な「草食系男子」が増えたといわれ始めたのはいつごろからか。最近では「魚食系」というのもあるらしい。草食よりは肉食寄り、でも肉食ほどガツガツしてない、どことなく知的な人たちなのだとか。さらには、ホントはガツガツしたいのに、あえて欲望を抑えて異性と交わらない男性を「断食系男子」と呼ぶらしい。断食しているつもりもないのに「断食系」とか呼ばれたら、ちょっとかわいそう…。
先日とある女性誌の表紙に「あなたの身近な男子を50タイプに分類!」的な見出しが躍っていて目を疑った。50タイプ! 男性をそこまで細かく分類するには、どれほどのフィールドワークが必要か。50人と付き合って50タイプじゃ、十人十色と変わらないものね。記事を書いた人に脱帽する(中身は読んでないけど)。
かくも日本人は、人をカテゴライズして話のネタにするのが好きなのだ。いや、日本人は、というより、よく考えたら“特に日本の女性は”ですね。すみません。
(監修:電通イージス・ネットワーク事業局)