米国発★ボブ・ディランが人工知能ワトソンと会話 IBMの「コグニティブ・ビジネス」プロジェクト始動
2015/11/02
米IBMは、同社が開発した人工知能「ワトソン」を主軸とする「コグニティブ(認知)・ビジネス」プロジェクトを始動した、とアドエージが報じている。
ワトソンは、膨大なデータを取り込んで分析するだけでなく、処理を行うごとに学習して知識を蓄積していく人口知能で、自然言語を理解するという特徴もあり、直感的な会話を通じた質疑応答が可能となっている。コグニティブ・ビジネスとは、ワトソンを小売業界やヘルスケア業界などさまざまな分野で、人間の意思決定を支援するツールとして活用しようというアイデアだ。
IBMは、同プロジェクトのキャンペーン第1弾として、ロック界のレジェンド、ボブ・ディランを起用したテレビCMを制作した。ボブ・ディランの歌詞を全て読みこんだというワトソンが、ボブ・ディランに「『時は過ぎゆき、愛は色あせる』が主なテーマだね」と話しかけると、ボブ・ディランが「まあ、そうだね」と答えるなど、2人の会話を通してワトソンのデータ取得や分析、言語能力を示す内容になっている。(下記画像をクリックすると、公式サイトにて動画がご覧いただけます)
このCMは、スポーツ専門チャンネルESPNの「マンデーナイト・フットボール」のスポット広告として10月6日に放送された。他にも、ワトソンと米クイズ番組「ジョパディ!」で対戦して敗北したクイズ王ケン・ジェニングスと会話するバージョンなどもある。
IBMのジョン・イワタ副社長(マーケティング・コミュニケーション部門担当)は、向こう数カ月間にわたってさまざまなキャンペーンを展開していくと説明。「コグニティブ・ビジネスという発想は、当社の既存クライアントだけでなく、現在取引のない企業からも強い支持を得られると考えている」と話している。
IBMは、コグニティブ・ビジネス戦略を世界的に展開する方針。日本については、IBM日本法人の日本アイ・ビー・エムが今年2月、ソフトバンクテレコムと提携し、日本語に対応するワトソンを開発する方針を発表している。