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2016年 世界を面白くするイノベーションNo.1

ワンタッチの新世界

2016/02/18

電通イージス・ネットワーク傘下のVizeumの社内組織「イノベーションチーム」は、スタートアップ企業の動向分析を通じ、次々に出現する新たなテクノロジーの中から、クライアントのビジネスや社会が直面する課題に対してソリューションとなるものを浮き彫りにしています。そんな彼らが今最も注目する、世界のビジネスやコミュニケーションシーンを動かす10のイノベーションをご紹介します。

Trend

2014年末、私たちはネットショッピングにおける「クリックして購入」は「ワンタッチで購入」へと移行すると予測した。15年、クレジットカードなどを登録したiPhoneを店頭の端末にかざすだけで支払いができるアップルの「Apple Pay」は、アンドロイド向けの英バークレイズ「bPay」と共に英ロンドン交通局(TFL)の電子決済システムに採用され、主流に躍り出た。

ワンタッチで済む快感が病みつきとなりつつある消費者に向けて、今、購入のプロセスだけではなく体験そのものがワンタッチで得られる「ワンタッチネイティブ」なアプリが登場し始めている。

ドミノ・ピザは、ツイッターへの絵文字投稿でピザが宅配される「インスタントオーダー」から一歩進んで、ボタンを押すだけで注文できる「イージーオーダーボタン」を開発。Lucky Tripは画面の「Lucky」ボタンをタップするだけで、世界300の都市の厳選されたアクティビティーから、最適なバケーションプランを提案してくれる。ネットフリックス「The Netflix Switch」はユーザーのカスタマイズに応じて、ボタンを一度押すだけで、部屋の照明を落とし、電話をサイレントモードに設定し、デリバリーを注文して、好みのコンテンツをスクリーンに登場させる。

Vizeum
「The Netflix Switch」
Vizeum
Lucky Trip

2016年はどうなる?

このようなアプリのワンタッチ操作を通じて、消費者は製品やサービスを自分仕様にカスタマイズし、日々の習慣を自動化していく。しかし、この傾向は長くは続かないだろう。近距離無線通信技術による非接触操作の発達が予想されるからだ。まもなく、ワンタッチで改札を通る時代は過ぎ去り、はるか手前で接近を検知するスマートリーダーの時代が到来するだろう。さらにこの領域で、皮下埋め込み式マイクロチップの技術開発が進んでいることも留意しておきたい。