電通、「第6回エネルギー自由化に関する生活者意識調査」を実施
2018/03/26
3月26日に配信された電通ニュースリリース文面は以下の通りです。
2018年3月26日
電通、「第6回エネルギー自由化に関する生活者意識調査」を実施
株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)のエネルギー関連のプロフェッショナルを集めたグループ横断組織、チーム「DEMS(ディームス)」は、本年4月の電力小売り全面自由化2周年、ガス小売り全面自由化1周年に先駆け、電力・ガス小売り自由化に伴う生活者の意識や理解状況、また購入先変更意向や実施状況など、市場の進展に向けた課題を浮き彫りにするべく、2017年12月に全国20~69歳の男女5,600名を対象に、「第6回エネルギー自由化に関する生活者意識調査」を実施しました。
本リリースでは、第5回(2017年6月)、第4回(2016年11月)、第3回(2016年6月)、第2回(2015年11月)、第1回(2014年12月)と、過去の調査結果との比較も踏まえ、主な調査結果をお知らせします。
第6回調査のトピックスは次のとおりです。
●家庭用電力小売り自由化の認知は9割を超え高止まりも、内容理解は3割未満。
●家庭用ガス小売り自由化の認知は8割弱、内容理解は2割弱。
●電気の購入先または料金プランを変更した人は19.3%、ガスの購入先変更者は7.8%と、ともに増加。
●購入先の変更意向は電力・ガスともに、引き続き1割を下回り停滞傾向。
●電力・ガス自由化に関する基本的な事項の理解は微増も伸び悩み。電力・ガスともに、非変更層からは、これまでの生活スタイルを変えることに対する懸念や心配とともに、現状のままをよしとする意向がうかがえる。
●電力・ガスの購入先に対しては、引き続き経済性、顧客対応、簡潔・明瞭さ、信用・安心を重視する様子がうかがえる。
●さまざまな技術進展に伴い予想される暮らしの変化や新たなサービスに対しては、期待の高まりがうかがえる。
<主な調査結果>
1. 自由化の認知については電気92.3%(前回91.6%)、ガス77.4%(前回80.1%)。
内容の理解については電気25.1%(前回24.6%)、ガス15.2%(前回16.1%)。
電力自由化について「内容まで知っている」25.1%(前回24.6%)、「内容はわからないが、自由化されたことは確かに知っている」51.7%(前回52.3%)、「見聞きしたことがある」15.4%(前回14.7%)を合わせると全体の92.3%(前回91.6%)と電力自由化の存在が広く知れわたり、認知は高止まりの状態。
ガス自由化について「内容まで知っている」15.2%(前回16.1%)、「内容はわからないが、自由化されたことは確かに知っている」39.7%(前回41.7%)、「見聞きしたことがある」22.5%(前回22.3%)を合わせると全体の77.4%(前回80.1%)が認知。ガス自由化の認知については未だ拡大の余地が残る。
また、自由化を認知している人(認知計)と「内容まで知っている」人との間には、電力で67ポイント、ガスで62ポイントの開きが存在しており、自由化に関する理解の伸び悩みがうかがえる。
前回(第5回調査)に引き続き、電力・ガス自由化に関する基本的な13項目についての認知を質問したところ、いずれの項目もわずかに向上しているものの、6割を超える認知は「住んでいる地域で提供・販売している電力・ガス会社であれば自由に選べる」のみ。
それ以外は3割前後の認知にとどまるなど同様の傾向が続き、自由化に対する正しい内容理解の促進が必要である。
2. 電気の購入先変更者は11.4%(前回9.8%)、料金プラン変更者は7.9%(前回6.9%)。
購入先変更、料金プラン変更ともに地域により偏在性が認められる。
電力自由化で「電気の購入先を変更した人」は11.4%(前回9.8%)、「電気の料金プランを変えた人」は7.9%(前回6.9%)と、「変更者」は全体の19.3%となり、前回の16.7%より2.6ポイント増加。
管内別では、電気の購入先変更は東京電力管内19.0%、関西電力管内17.6%、北海道電力管内15.0%、電気の料金プラン変更は中国電力管内17.2%、中部電力管内15.0%、四国電力管内12.4%の順となり、地域による変更状況の違いが認められる。
3. ガスの購入先変更者は7.8%(前回4.7%)。関東地区の伸び悩みが目立つ。
ガス自由化で「ガスの購入先を変更した人」は7.8%と、前回より3.1ポイント増加。
「比較検討したが変更していない」は23.0%と、前回より1.7ポイント増加。
なお、電力自由化後8カ月経過した時点で行った第4回調査(2016年11月)では、「電気の購入先を変更した人」は9.4%、「比較検討したが変更していない」は31.4%であった。それぞれ自由化から約半年の経過時点で比較すると、購入先の変更、比較検討のいずれの割合も電力自由化の方が高い。
管内別では、ガスの購入先変更は関西の大阪ガス管内で12.8%、中部の東邦ガス管内で9.5%、九州の西部ガス管内で8.5%に対し、関東の東京電力管内では2.0%と4分の1程度となっており、地域による変更状況の違いが色濃く存在する。
電気の購入先の「変更意向」は全体の8.1%(前回7.9%)、「検討意向」を含めると47.7%(前回46.5%)。ガスの購入先の「変更意向」は全体の7.6%(前回7.3%)、「検討意向」を含めると44.8%(前回46.9%)と、電力・ガスともにほぼ横ばいで推移。
電力の購入先変更意向は、「すぐにでも変更したい」1.1%と「変更する方向で検討したい」6.9%を合わせた8.1%。前回から0.2ポイント増加。「検討するが、変更するかどうかはわからない」39.6%を合わせると47.7%と前回から1.2ポイント増加するも依然として半数を下回る。
ガスの購入先変更意向は、「すぐにでも変更したい」0.7%と「変更する方向で検討したい」6.9%を合わせた7.6%。前回から0.3ポイント増加。「検討するが、変更するかどうかはわからない」37.2%を合わせると44.8%と前回から2.1ポイント下落し、こちらも半数を下回った。
購入先を変更しておらず、かつ変更の意向がない人に対してその理由を尋ねたところ、上位の回答は「変更の手続きが面倒 大変そう」(電力27.6%、ガス23.0%)のほかに、今まで通り慣れている会社の方がよい」(電力27.1%、ガス25.0%)、「現在と比べて安くならない」(電力24.9%、ガス22.1%)、「メリットがよくわからない」(電力24.8%、ガス22.1%)、「変更することに不安」(電力23.1%、ガス21.2%)、「変更することで損をしたくない」(電力22.9%、ガス21.5%)などが挙がった。経済性は意識しつつも、電気・ガスともにこれまでの生活スタイルを変えることに対する懸念や心配とともに、現状のままをよしとする意向が強くうかがえる。
電力やガスの購入先に対して重視することは、経済性、顧客対応、簡潔・明瞭さ、信用・安心など。大きな動きは見られず。
電力やガスの購入先に対しては、「料金の安さ」68.2%、「他社よりもオトク」34.1%、「ポイントが充実」15.2%といった“経済性”を強く求める一方で、「事故・トラブル時の対応」40.9%、「日常のメンテナンス」36.7%、「手続きが簡単」29.6%、「サービス対応」24.7%などの“顧客対応”や、「契約内容がわかりやすい」38.2%といった“簡潔・明瞭さ”、「供給が安定」41.8%、「知名度があり信頼できる」33.5%といった“信用・安心”を求める声が引き続き高かった。
6. 技術進展に伴う新たなサービスや暮らしの変化によって、エネルギーに対する関与・関心は今後一層高まる可能性も。
前回(第5回調査)に引き続き、エネルギーへの関与・関心が高まると思われるサービス・技術について質問したところ、「無線充電」47.6%(前回46.1%)、「身の回りの僅かなエネルギーから電力を得る」45.9%(前回43.9%)、「商品やサービスの料金に利用に必要な電気が含まれている」45.4%(前回43.3%)などを上位として、いずれの項目でもスコアの増加が認められ、これから創出・発展が期待される次世代へ向けた暮らしの変化や新たなサービスに対する期待の高まりがうかがえる結果となった。
<調査概要について>
タイトル : 第6回「エネルギー自由化に関する生活者意識調査」
調査手法 : インターネット調査
調査機関 : 株式会社電通マクロミルインサイト
調査時期 : 2017年12月22日~12月27日
エリア : 9電力会社管内(沖縄電力管内を除く)
対象者 : 全国20~69歳の男女5,600名
対象者条件: 世帯主もしくは世帯主の配偶者で、自分または配偶者が電気料金を支払っている方
調査内容 : 本調査35問
一般生活者の基本属性(人口統計学的属性、家族構成、住居形態など)、エネルギーの利用実態(エネルギー供給形態、収入に占めるエネルギー費の割合など)、エネルギー自由化に関する知識・認知状況、購入先の変更・検討状況、エネルギー全般に関する考え方や意識の傾向、購入先に対して求めるイメージとサービス、電力会社・新電力会社に対する認知、購入先変更のプロセス・情報源、電力自由化に関する内容認知など