明治時代にタイムスリップ、一夜限りの「岡崎明治酒場」華やかに
2018/11/05
「明治時代にタイムスリップして伝統・アートを遊ぶ」をテーマに、一夜限りのイベント「岡崎明治酒場」が10月26日、京都市の岡崎エリアで開かれた。伝統芸能、工芸、時代劇など日本が誇る文化やアートに加え、お酒や食事も楽しめる趣向で、9000人を超える来場者でにぎわった。
事業の主催は岡崎明治酒場実行委員会。「象徴的空間の活用」「ナイトタイムの活用」という視点から、内閣官房東京オリンピック・パラリンピック推進本部の「平成30年度オリンピック・パラリンピック基本方針推進調査に係る試行プロジェクト」として実施された。
岡崎公園の「サケガーデン」には京都ならではの銘酒が並んだ他、「女学生BAR」「ボンサンBAR」など、京都の文化人や料理店とコラボした趣向を凝らしたBARが出現。ロームシアター京都の中庭の「ビアガーデン」には、文明開化の象徴でもある「ビール」や京料理の名店による酒肴を提供、芸舞妓も彩りを添えた。会場ではこの他、「新時代 屋外演奏会」と題し、地元京都で活躍するアーティストがミニライブを繰り広げた。
平安神宮エリアでは、応天門前で未生流笹岡家元・笹岡隆甫氏による花手前が、白砂エリアでは金剛流シテ方・宇髙竜成氏らにより蹴鞠をモチーフにした能舞が披露された。
この他、京都モダンテラスでは、華やかな明治の社交界をテーマに「鹿鳴館コレクション」を実施。ダンスカンパニー「DAZZLE」はイベント会場各所を巡りながら、イマーシブ(没入型)シアター形式の独創的なダンスパフォーマンスを行った。
また、京都伝統産業ふれあい館では、これからの「作り手」「伝え手」「使い手」の関係づくりを一緒に考え、三つの「て」をつなぐ活動を展開するててて協働組合が交流会などを開催した。京都市動物園や京都市美術館でも、国内外で活躍する多様なパフォーマー、アーティストらが和と洋、伝統とモダンを融合させたパフォーマンスで来場者を魅了。かつて山縣有朋や伊藤博文らが会談したという無鄰菴では、和ろうそくだけの特別茶会が催された。