第57回「JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール」受賞作が決定
2019/01/22
日本アドバタイザーズ協会(JAA)は1月17日、第57回「JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール」の結果を発表した。対象作品は2017年10月1日から18年9月30日までに放送・掲出・掲載された広告。
同広告賞の特徴は、審査に広告関係者を含まず、消費者が生活の視点から審査を行い受賞作が決定されること。109人の消費者審査員が約1カ月間にわたり選考を行った。
「新聞」「雑誌」「テレビ」「ラジオ」「デジタル」「屋外・交通」の6部門に寄せられた応募総数は1409点。その中から70作品が入賞し、さらに部門別のJAA賞グランプリ6点、経済産業大臣賞1点が選ばれた。また、グランプリ6作品に携わった企業または個人にベストパートナー賞が贈られた。
審査委員長を務めた青山学院大の芳賀康浩教授は、受賞作の傾向について「例年に増して、『楽しい』『面白い』『明るい気持ちになる』『温かい気持ちになる』『希望がわく』という作品が高く評価された。2018年は自然災害が相次ぎ、甚大な被害があった1年だった。被災地ではまだ多くの被災者が厳しい生活を強いられているが、このような時だからこそ、ストレートに上を向ける、前向きな気持ちになれる広告が消費者の心に刺さったのかもしれない」と総括した。
JAA賞グランプリ、経済産業大臣賞は次の通り。
■新聞広告部門
味の素「ごちそうさま、平成。」
平成の終わりを感じさせる「平成最後の晩餐、あなたは何を食べますか?」のコピーが目を引く。その時代の食を振り返ることができ見入ってしまう。今年だからこそのベストマッチな広告。(審査員:女性)
■雑誌広告部門
日本ガイシ「家庭でできる科学実験シリーズ」
自分でも実際にやってみたくなった。他の作品とは毛色が変わっていて大変面白く好奇心をくすぐられる。自分のペースでじっくり読んで理解できる雑誌ならではの広告。(審査員:男性)
■テレビ広告部門
SOMPOホールディングス「SOMPO認知症サポートプログラム始動」編
認知症になると何も分からなくなるというイメージがあるが、このCMは認知症の人もコミュニケーションを取れるんだという前向きで希望を持てる感動的な広告。(審査員:女性)
■ラジオ広告部門
パナソニック「メダルの音」編
メダルの音でパラリンピックを応援しているのがとってもいい。メダルは色だけでなく音も違うということを初めて知った。耳で音を聴くというラジオの特性を生かしたすてきな広告。(審査員:女性)
■デジタル広告部門
そごう・西武「母の日テスト」
若い人は自分のことで手いっぱいで親のことなんか考えていないんじゃないかと思ったけど、今時の若者の母親への優しさが伝わってきた。母親と電話で話す子どもの表情に温かい気持ちになった。(審査員:男性)
■屋外・交通広告部門
東宝東和「ジュラシック・ピラー」
その場でチケットが買えたり、空席状況も分かったりと、デジタル技術を駆使した今までにない新しさを感じた。日常生活を送る中で、こういう体験型イベントがあるととっても楽しい。(審査員:女性)
■経済産業大臣賞
デジタル広告部門
ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング
「ダヴ リアルビューティーID」
女子高生の表情の変わり方が非常に自然で、しかもドラマチック。人はちょっと褒められるだけでこんなにも笑顔になれるんだなと明るい気持ちになった。(審査員:女性)