東京オリンピック1年前
盛大に記念セレモニー開催
2019/07/26
東京2020組織委は、東京オリンピック開幕1年前の7月24日、準備状況報告会とセレモニー(共催=東京都)を千代田区の東京国際フォーラムで開催した。
■ 「準備報告会」
会には、主催者(組織委)の御手洗冨士夫名誉会長、森喜朗会長、武藤敏郎事務総長はじめ、来賓の国際オリンピック委員会(IOC)・トーマス・バッハ会長、東京オリンピック調整委員会のジョン・コーツ委員長、組織委の最高顧問・議長を務める安倍晋三首相の他、評議員、理事ら約200人が出席して行われた。
冒頭、森会長は「世界最大のイベントの開幕まであと1年となった。大会の準備については、IOCから“その早さはオリンピック新記録だ”と評価されるほど順調だ。各自治体をはじめ、あらゆる業界が協力してくれた成果と思う。オリンピックは東京だけでは成立しない、引き続きオールジャパンの皆さんの応援で成功に導きたい」とあいさつした。
また、森会長は公式の場で紹介するのは初としながら、東京オリンピックの開閉会式のプランニングチームメンバーの野村萬斎さん(狂言師)ら8人を紹介。バッハ会長からは、メンバーに激励の言葉をもらったと報告した。
バッハ会長は「1年前にこれほど準備が整っている開催都市は見たことがない」と東京を高く評価し、日本全国のサポートに感謝の意を示した。また、大会が日本にもたらす経済効果や、聖火リレーによる国民の結束などメリットに言及し「大会は、日本のベストな部分を世界に発信する大きなチャンスだ。世界中のアスリートとともに、2020年を楽しみにしている。IOCも皆さんと力を合わせて残りの1年を、成功に向けて取り組む」と述べ、最後は日本語で「よろしくお願いします」と締めた。
安倍首相は「招致決定から6年、関係者の皆さまの尽力に敬意を表したい。令和という新時代にふさわしい大会にしたいと思う。政府としても一丸となって支援していく」とあいさつした。
■ 「セレモニー」
ホールAで開催されたセレモニーには、組織委関係者やIOC、各国大使、国内競技団体、大会パートナーらに加え、都内の中高生約500人、東日本大震災被災3県の小中学生ら計約4000人が招待され、盛大に行われた。
オープニングでは、津軽三味線奏者の吉田兄弟が登場し、オリンピック・パラリンピックのワールドワイドパートナーであるパナソニックが特別協力したプロジェクションマッピングをバックにパフォーマンスを披露し開会した。
東京都の小池百合子知事は「大会準備も総仕上げの段階になり、開催都市として身の引き締まる思いだ。現在、各競技のテストベントの開始や安全の確保、暑さ対策などの具体的な検証に取り組むとともに、“スムーズビズ”(テレワーク、時差Biz、交通需要マネジメント)を推進している。安全・安心な街として、アスリートや観客の皆さんを迎えたい。1年後の開幕に向けて皆さんと一緒に努力する」とあいさつした。
ステージには、日本を含む7カ国のNOC(オリンピック委員会)とIOC難民選手団の代表が登壇。バッハ会長が大会への招待状を各代表に手渡した。
聖火ランナー募集PRには、アンバサダーを務める、オリンピアンの野村忠宏さん、パラリンピアンの田口亜希さん、女優の石原さとみさん、お笑いコンビ・サンドウィッチマンの伊達みきおさんと富澤たけしさんが登場し、応募を呼び掛けた。
■ 「大会メダル デザイン発表」
聖火ランナー募集PRに続いて行われた、オリンピックのメダルデザイン発表には、文化庁の宮田亮平長官(メダルデザイン審査会座長)、メダルのデザイナー・川西純一氏とゲストとしてメダリストの澤穂希さん(女子サッカー)、羽根田卓也選手(カヌー スラローム)、三宅宏実選手(ウエイトリフティング)やバスケットボール(NBAプレーヤー)の渡邊雄太選手の4人が立ち会った。
メダリストはメダルの持つパワーや大切さについて語り、全員でメダルをアンベールした。
川西氏は「アスリートの努力と栄光、世界の友情を輝く光の輪で表現した。大会でアスリートの首に掛けられる場面を想像するとうれしい」と話し、宮田長官は「日本の金属造形の奥深さとデザインの素晴らしさが一体となり、世界で唯一・ナンバーワンのメダルになったと確信している」と述べた。
ゲストの4人にも「現役復帰をしたくなる」「オーラを感じる」「メダルとリボンの組み合わせが絶妙」など好評価だった。
メダルは、オリンピック史上初のプロジェクト「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」で、全国から提供された使用済み携帯電話などの小型家電から抽出した金属で製作される。
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セレモニーの最後は、音楽グループ・東京スカパラダイスオーケストラと吉田兄弟がコラボ演奏を披露。会場が一体になり、にぎやかなフィナーレとなった。