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「国立競技場オープニングイベント」
文化、スポーツ、音楽コンテンツで
6万人が完成を祝賀(動画あり)

2019/12/24

    日本スポーツ振興センター(JSC)は12月21日、新設なった国立競技場(東京・新宿区)を一般に公開し、完成を祝うオープニングイベント「HELLO, OUR STADIUM」(協賛=アシックスジャパン、日本コカ・コーラ、JR東日本、久光製薬、NTTグループ、日本航空、パナソニック、朝日新聞社、三井住友フィナンシャルグループ、グーグル、復興庁、読売新聞社)を開催し、約6万人の観客が詰め掛けた。同競技場は、2020年東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムとして、開閉会式をはじめ陸上競技などの会場として使用される。

    イベントでは「文化」「スポーツ」「音楽」の各コンテンツが展開され、それぞれに競技場と縁の深いアスリートやアーティストらが登場した。
    MCは、フリーアナウンサーの平井理央さんが務め、スペシャルサポーターの松岡修造さんが会場を盛り上げた。

    イベントは、太鼓芸能集団「鼓童」の勇壮なパフォーマンスで幕を開け、“文化パート”の「東北絆まつり」に引き継がれた。絆まつりには、東北6県の夏祭り(秋田竿燈まつり、盛岡さんさ踊り、山形花笠まつり、福島わらじまつり、仙台七夕まつり、青森ねぶた祭)が参加。45分間、踊り手ら約600人がトラック上で本番さながらの演舞を見せた。

    続いて、マーチングバンドが行進を開始。その後を、住民や学生、アスリート、近隣の企業関係者ら地元にゆかりのある人々が連なり、祝賀パレードを行った。
    絆まつりは、2011年の東日本大震災の鎮魂と復興を願い、同年から16年まで東北6県の持ち回りで開催された「東北六魂祭」が前身で、翌年から絆まつりとして継続している。

    前半の“スポーツパート”では、サッカー界のレジェンド・三浦知良選手(Jリーグ 横浜FC)が、スポットライトを浴びながら登場した。国立競技場での最多ゴール数を誇る三浦選手は、日本代表時代のユニホームをアレンジしたウエアに身を包み、初めて芝生のピッチに足を踏み入れる大役を務めた。
    三浦選手が、ボールをドリブルしながら走り始めると、観客からは大きな歓声が起き、最後にボールを観客席に蹴り込むと、最高潮に達した。
    会場には、ラグビーW杯日本大会で、史上初のベスト8進出を果たした日本代表の、リーチ・マイケル、中村亮土、田中史朗選手も駆けつけ、競技場の完成を祝った。
    三浦選手は「素晴らしいスタジアムでセレモニーに参加し、大役を任されたことに興奮している。皆さんの力で、この聖地を勇気ある場所にしていきましょう」と呼び掛けた。
    リーチ選手らは、W杯で受けた応援に感謝を述べ「これからこの競技場で、オリンピアン・パラリンピアンの皆さんが最高の結果を出せることを祈ってます」などと祝辞を述べた。

    【以下の動画、画像=JSC提供】

     

    後半は「音楽パート」1組目の、DREAMS COME TRUE(ドリカム)のスペシャルライブでスタートした。ドリカムは、ヒット曲の「決戦は金曜日」「OLA!VITORIA!」「何度でも」の3曲を熱唱。吉田美和さんは「今日は短い時間ですが、皆さんと喜びを分かち合いたい。皆さんは国立のオープニングベイビーズだ」と呼び掛け大きな歓声を浴びた。ドリカムは、07年にSMAPに続き史上2組目の“国立ライブ”を行った。
    音楽パートの最後は、アイドルグループの嵐が華やかなライブで締めくくった。嵐は、アーティストとして国立競技場で最多の公演を行ってきた。5人は特製のトロッコに分乗して周回しながら、「Love so sweet」「Happiness」「A・RA・SHI」「BRAVE」のスぺシャルメドレーを披露し、観客を熱狂させた。5人は「一生の思い出になった」「ここから、さまざまな伝説が生まれると思うとワクワクする」「アスリートにもアーティストにも目標の場所になると思う」などとコメントした。

    スポーツパートの最後は、人類初の陸上レース「ONE RACE」。健常者や障がい者、性別の枠を超えたアスリートたちが、特別に混合チームを結成。1チーム6人で4チームを編成し、200メートル×6走の計1200メートルで行うエキシビションレース。
    参加選手は、陸上界のレジェンドで金メダリストのウサイン・ボルト氏をはじめ、パラ陸上のハンナ・コックロフト、マール・ファン・ライン選手ら金メダリストや世界記録保持者、日本からは、オリンピック代表のケンブリッジ飛鳥、桐生祥秀、飯塚翔太選手や、パラ陸上の村岡桃佳、高桑早生選手らで、日本選抜、世界選抜の各2チームを組んだ。世界選抜2チームの1~4走は、2024、28年のオリンピック開催都市のパリとロサンゼルスにある競技場を走行。その模様を、NTTグループの協力によりリアルタイムで同期し、ひとつのレースとして成立させた。
    世界選抜“BLUE”のアンカー・ボルト氏にバトンが渡ると、会場は大きな声援に包まれたが、優勝したのは、ケンブリッジ飛鳥、高桑、飯塚選手らの日本選抜“RED”チームだった。
    ボルト選手は、「素晴しく、とてもうれしい体験をさせてもらった。自分は、東京オリンピックで走らないので、大変に貴重で特別な経験になった」と語った。


    イベントのフィナーレには、サプライズゲストとして人気デュオ「ゆず」が登場した。北川悠仁さんは「完成を祝い、東京オリンピックの大成功を祈って、この曲を皆さんと歌えたらうれしい」と04年アテネオリンピックのNHKテーマ曲「栄光の架橋」を観客と大合唱。会場は、観客がペンライト代わりに点灯したスマホの光が揺れる中、エンディングを迎えた。

    同競技場では2020年1月1日、新設後初のスポーツイベントとして「天皇杯 JFA 第99回全日本サッカー選手権大会」(ヴィッセル神戸 対 鹿島アントラーズ)が開催される。