環境破壊とそれに伴う地球温暖化は、いまや世界規模ですぐにでも対応しなければならない課題となっています。2023年7月の世界の平均気温が観測史上最高を記録したことから、もはや地球温暖化(Global Warming)ではなく「地球沸騰化(Global Boiling)」とまで言われるようになりました。
世界の取り組みに倣い、日本でもカーボンニュートラルのためのさまざまな取り組みが行われています。その中でも注目されているのが、海洋生態系によって炭素を取り込んでいく「ブルーカーボン」です。地球温暖化対策と海の豊かさを保全することを同時に行える対策として、世界的に関心が高まっています。
Transformation SHOWCASEでは、この「ブルーカーボン」に注目。今回、特別企画として、ブルーカーボン領域において大きな効果が期待される、人工礁「リーフボール」の普及拡大に尽力している方々、そしてSDGsに積極的に取り組む自治体の担当者に話を伺いました。第1回は、長崎市でリーフボールの普及活動を行っている株式会社朝日テックの代表取締役 池田修氏の元を訪問。聞き手は、株式会社 電通でカーボンニュートラルやブルーカーボン領域に取り組んでいる藤孝司氏です。前後編にわたってお届けします。
サンゴ礁復活の救世主「リーフボール」との出会い

アメリカから地元・長崎にリーフボールを「輸入」

地球温暖化対策として期待が高まる「リーフボール」。前編では、朝日テックの池田氏がアメリカでリーフボールに出会い、地元・長崎で事業を展開するまでのストーリーを伺いました。後編では、日本での普及活動についてのインタビューと、朝日テック本社工場のレポートをお届けします。
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著者

池田 修
株式会社朝日テック
1949年12月11日長崎県長崎市生まれ。1972年立命館大学産業社会学経営学部卒業(経営学士)し、広貿商株式会社に入社(東京本社)。1975年にNikko America Co., Ltd.の駐在所長としてNYへ渡米し、1985年にはEnvironmental Technology LLCの代表取締役に就任する。2013年に帰国後、株式会社朝日テックの代表取締役に就任、現在に至る。国連本部奉仕*1980年:UN World Peace Bell Association USA Inc.(米国公益法人国連世界ピースベル協会 理事長就任)1980~2013年国連本部年次総会開催式典主催。

藤 孝司
株式会社 電通
環境・エネルギー領域のスペシャリストとして、株式会社 電通内の横断組織DEMSに所属し、国内外のエネルギー関連企業、スタートアップとの事業開発等を10年以上担当。2019年から脱炭素・カーボンニュートラル領域を担当し、グループ横断でのカーボンニュートラルに関するソリューション・取り組みを連携し、ご提供していく「dentsu carbon neutral solutions」を立ち上げる。環境省と行動経済学(ナッジ手法)を活用した脱炭素型ライフスタイルへの行動変容ナレッジの開発や海洋国家である日本として取り組むべき磯焼け問題(海の砂漠化)解決のためのブルーカーボンプロジェクトを社内外メンバーとプロジェクトを推進。2025年の大阪・関西万博を「海の万博」として日本独自の取り組みを世界各国に発信していくことを目標に日々活動中。

