香港発★「韓流」ブームが日本ブランドを脅かす
2014/06/13
韓流スターのライフスタイルやファッションに興味を持つ人の増加を受け、韓国製の化粧品や電子機器、食品の需要が高まっている。今年第1四半期(1~3月)に香港でオープンした韓国系ブランドの小売店舗数は前年同期に比べ3倍に拡大。韓国製品は価格も手ごろなため、今後は日本ブランドの脅威となる可能性がある。アジアの経済ビジネス情報を配信するNNAが伝えた。
韓国系のスキンケア・化粧品ブランドの出店も増えている。この2年間で「エチュードハウス」や「イニスフリー」などが相次いで香港1号店をオープン。中華圏で大ヒットした韓国ドラマ「星から来たあなた」の影響で、韓国系フライドチキンのレストランも相次いでオープンした。今後は韓国系ファッションブランドがこの波に乗るとみられており、すでに数ブランドが香港での事業拡大を検討しているという。
日系の大手化粧品会社の関係者は「安価な韓国化粧品の増加により、売り上げに影響が出ている。韓国製品は日本や欧米ブランドに比べ安いため、消費者が手に取りやすい。特に化粧品にあまり知識がない若者が、基礎化粧品などを韓国製に乗り替える場合があるようだ」と説明している。一方、中高年向けやアンチエージングなど高価な商品では日本製の売り上げはむしろ上がり続けている。
観光業界にも韓流ブームが起きている。韓国観光公社によると、2013 年に韓国を訪れた香港人旅行客は約40万人に達し、過去5年間で約2倍に増えた。特に今年4月は月次ベースで過去最高となる約5万5000人を記録。1~4月の累計でも前年同期に比べ4割増の16万人を数えた。
大手旅行会社である永安旅行社の馬世文・副ゼネラルマネジャーによると、香港から韓国へのツアー数は近年、毎年平均で約1割ずつ拡大。日本と韓国へのツアー数の比率も、従来の7対3から最近は6対4と、韓国人気が高まっている。