受賞は予想外?
TCC賞受賞式で澤本氏らが喜びを語る
2014/11/06
東京コピーライターズクラブ(TCC)は10月29日、2014年度TCC賞授賞式とHALL OF FAME-コピーの殿堂-の顕彰式を、東京・千代田区のホテルニューオータニで開催。TCCグランプリの電通・澤本嘉光氏、最高新人賞のTBWA博報堂・山﨑博司氏をはじめ、35の受賞作、38人の受賞者が表彰された。HALL OF FAMEには小野田隆雄氏が選ばれた。
受賞作品、受賞者の一覧はこちら(TCC公式サイト)。
冒頭、審査委員長の谷山雅計氏が今年の審査基準「そのコピーがない世界と、ある世界。何が変わりますか?」を再確認しつつ、講評を行った。
最高新人賞の山﨑氏のコピー「ボクのおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました。」は、新聞への1回の出稿だったにもかかわらず、ネット上で話題を呼んだことを挙げ「今の時代を切り取った言葉として、大きく広がったコピー」と評価した。
TCCグランプリの澤本氏が手掛けたソフトバンクモバイルの新しいテレビCMシリーズは「長い期間にわたって称賛され続け、これ以上褒められようがないだろうと思われていたシリーズ広告だが、新たな地平を切り開くことでより高みに上ることができる可能性を、われわれに教えてくれた」と賛評した。
総括として「これらに代表される全ての受賞作は2014年の確固たる記録であるとともに、今後、これらよりも世界を変えられる広告を作らなければいけない、乗り越えるべき基準になってくれたと思う」と結んだ。
TCCグランプリの澤本氏は壇上で、今回の受賞は予想外であったことに触れ「賞を取ってこんなにうれしかったことはないくらい」と喜びと驚きを述べた。「15秒のCMは作りづらいといわれるが、せりふの半分が商品説明という、クライアントのことを考えたもので賞を取った。自分の作っているものはちゃんと広告であると思えた。広告作りは楽しい。この年齢で作れて、褒められて、感謝をしている」とコメントした。
HALL OF FAMEの小野田氏は「感無量です」と述べ、コピーライターとして資生堂に入社した時代から自らの半生を振り返った。「少子高齢化、出生率低下の時代の境目にある日本で、広告業界の発想の仕方が文化的に何かの力になる日が近いのではないだろうか。その日までに、広告の言葉とは何かを考え続けたい」と力強く語った。
今回の受賞作品は『コピー年鑑2014』(宣伝会議)としてまとめられ、11月10日に発売される。会の後はこの発刊記念パーティーが華やかに行われ、受賞者らが杯を交わした。
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