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常識を覆せ!「俺のPRイベント」はこうする!

新明解「戦略PR」 №17

  • 井口 理

2014/11/24

常識を覆せ!「俺のPRイベント」はこうする!

さー、いよいよあと1カ月余りで今年も終わりですね。皆さま、年末年始のご準備はいかがですか? えっ? まだ全然? いいんです、いいんです。もうちょっとゆっくり行きましょうよ。そんなあなたに「月に一度のお約束」。そうです、新明解「戦略PR」のお時間です。

年末はいろいろイベントごとが多いですよね? いやいや、ほんとに気ぜわしいくらいに、世間の話題も爆発的に増えるんですよね。例えばクリスマスの話題、これはすでに10月末からがんがん出まくってますし、今年の振り返りってことで「2014年の10大ニュース」やら、「ヒット商品番付」やらもめじろ押し。
でもねー、12月を待たずに、2カ月近くも残して「今年のまとめ」に入ってしまうのもなんだかなぁ、ってな感じもします。しかしやっぱり「話題の先取り」ってのはメディアの戦略なんですよね。いち早く知りたいというのは人間の根源的な欲求ですから!

というわけで、常に2カ月先の定番行事を捉えながら、そのタイミングで絡ませるニュースを創っていくのがわれわれPRパーソンの工夫のしどころ。そういった先手先手こそが未来を制す、ということなんですねー。「えっ? じゃ、なに? もう年末年始の定番イベントごとでの勝負はついちゃってるってこと?」と焦りまくった方、ある意味正しく、ある意味間違ってます。間違っているというか、「あきらめないで〜♪」という感覚かなぁ。勝負ってのはね、一発じゃないんすよ。打たれても打たれても、必死で立ち上がって食らいつかなくちゃ。よってイベント当日にもまだまだやり方はあるんじゃないかな? ということで、いくつか私がチャレンジしている手法をご紹介していきましょう! 題して、「あきらめないで!そのイベント、こんな工夫で大変身!」です。(うーん、昭和っぽいすかね…)

ある家電メーカーの発表会

①「ブロガーの意味が変わる! ブロガー活用2.0」
〜書かせるよりも感じさせろ!〜

ブロガーをイベントやら、はたまた記者発表会にまで参加させ、個々人のブログに記事を書いてもらうというのはこれまでもあった取り組みと思いますが、ちょっとその目線を変えて活用してみたら? というお話。

ブログに載るというのは拡散目的ということですが、マスメディアで書かれることと、ブログで書かれることの意味の違いは、「生活者に近い目線の情報であるかどうか」だと思うのです。その内容が、ブログの読者たちに親近感を持って捉えられるからこそ、いわゆる「自分ゴト化」を引き起こすことができるのではないでしょうか。

一方で、広告同様の「情報リーチ」を主目的に置いてしまった残念なブロガー活用というのに最近よく出くわすんです。「とにかく多く呼べばいい」「この人はPVが少ないから今回ははずそう」などなど。リーチでいえば少しマイナーな雑誌でもそこそこ部数を持っていますから、アルファブロガーと呼ばれる一部の人たちを除けば、通常行うメディアの取材誘致を優先・注力するべきではないかと思うのです。

しかし、実は違う目線での活用なら「大いにアリ!」だと思うのです。それが「ブロガー活用2.0」(勝手に命名してます、すみません)、すなわち「ブロガー目線でイベントを感じてもらい、そこから生まれる素直な感想をマスコミの取材ネタとする」という段階的活用なのです。

よくわれわれは「いや、ほんとにこんな人たちに、こういう理由で大人気なんですよ!」と、記者の方々へアプローチするために説明するんですよね。でもそれってたいていが「兆し」のタイミングであったりもするわけです。われわれは真剣に「これからもっとドでかくなりそう!」と分析・理解していても、相手からすれば「ほんとかよ?」という目で見てくることもあるわけです。そんなときに、その市場や製品に興味のあるブロガーの方々をイベント現場に投入するわけです。ブログは書いてくれてもくれなくてもいいんです。ただ彼ら・彼女らは常にブログネタを探していたりする好奇心旺盛な人たちなわけで、そういった方々をご招待しますと、目をキラキラさせてモノゴトを見てくれます。そこにメディアの記者呼んできて「ねー、言った通りでしょ? 皆さん、興味津々ですよー」とご紹介すると、「あ、ほんと! こんな属性の人たちにウケるんだねー」とすぐさま理解いただけるわけ。そう、メディアの人にも、いかに象徴的にイメージさせるかという工夫が重要ってこと。その意味でブロガーを「ある属性の生活者の象徴的代表」として位置づけてみるというのはあり得ると考えたのです。

たとえば生活家電の発表会に主婦ブロガーを呼び込むと、「こんなの見たことない!」「マジこんな機能、今日にでも欲しい!」といった会話が弾みます。これを横で聞いていると、「なるほどなるほど、こっちじゃなくて、ここがツボなのね!」といった気付きを得られることも多いんです。記者にとってはブロガーも一消費者ですから、即座に取材対象として活用できるわけで、別途に街中で突撃インタビューなどせずに済むわけですから、さらに一石二鳥ということで。

いかがでしょ? ブロガーの活用方法、もっといろいろ考えられそうですね。

②「オフ会をオンにしちゃうオフ会ジャックのススメ」
〜製品の育成を人に託す「カッコウ」作戦〜

イベントごとは全て一から準備しなきゃね! と思いがちのところに、「既存のイベントごとに相乗りする」というのもアリなんじゃね? というお話。というのも、もちろんこちらでセールスプロモーションの意味合いで、仕掛ける場を設けてターゲットを集めるイベントがあってもいいのですが、そんな場でこちらから良いことばかり伝えても相手には信じてもらえないし、本当の差別化もできないわけじゃないですか。そこでもっと胸襟開いて、「ほんとの僕を知ってください」「よかったらこの子、あなたの視点からプロデュースしてやってくれませんか?」的なのもありなんじゃないかなと。すなわち「ブランドを生活者に預ける」というか。で、小見出しの「カッコウ作戦」(=人の巣に自分の卵を置き、育てさせるの意)につながるわけです。

たとえば、より親密になれそうな、深い趣味を持った同士が集まる小イベント(=コミュニティーのオフ会)などに、こちらから出張っていって会話してみるなんてのもいいんじゃないかなと。そこで理解されれば、おのずとその領域でのインフルエンサーたちが情報拡散してくれるということ。でもそれは漠としたアピールでしかなくて、サンプリングのような表面的・物理的な接触ということではないんです。もっともっと、特化した形で「刺さる特徴」をアピールしていかないと誰も振り向いてはくれませんよね? そのアピールできる一芸として何をフィーチャーするのかというのが、PRのための最重要ポイントといえるかもしれません。製品と特定コミュニティーのベストマッチングを探すというのが最大ミッションなのです。合コンや、集団お見合いみたいなものと一種同じようなものといえるかも、ですね。

③「“局地的でも♪局地的でも全国拡散施策付き♪”イベントの隆盛」

※南京玉すだれのメロディーに乗って。

〜ネット活用PRがイベントを多くの制約から救った!〜

最後は「イベントって結局、規模感が必要だよね! だから金かかっちゃうよね!」という意識を捨てようというお話。すなわち、ネットPRを活用した小規模・局地型イベントでも十分機能するよね、ということ。とかくイベントは場所や時間、天気など物理的な制約がつきまとうもの。またその影響力を考えたときに、昔は来場者数、参加者数、サンプリング数などが取りざたされたわけです。とにかく成果を挙げるには大規模に走りがちだったわけですね。しかし、ネット全盛の今、やり方は着実に変化しているなと思いますし、またその成功事例が続出しているわけです。

大規模にして来場者などの“数”を意識するのは、以前は情報提供の仕方を、生活者とダイレクトに、One to One で行う必要があったからなのです。ひるがえって今の時代を見れば、ネット動画などを通じた疑似体験がすぐさま構築できるわけで、しかもそれが非常にリアルに伝われば、リアルイベントなんかよりもずっと強い体感をもたらすこともあるのです。もちろん、リアルで深い体験を提供できるのが理想ではありますが、予算との兼ね合いでいえば、コンテンツ設計に注力し、小規模・局地的でありながらも生活者の深い共感を体験から創出し、それをネットに載せていくことで日本全国、あるいは世界に対しても発信・拡散させていくことが可能となれば試してみない手はないですよね。

カンヌライオンズなどでも、フラッシュモブからビックリ隠し撮り動画、また局地的に設置されたOOH(アウト・オブ・ホームメディア)への生活者の反応をネットで見せるなどの取り組みで話題化しているものはたくさんあります。だから事例紹介なんかすると「これって相当すごいことやってんだろうなぁ。うちには無理だよ、こんな大規模なやつは…」とよく言われるのですが、実際にかかった費用などを教えてあげると「えっ? そんな予算であんなことできるの?」と驚かれたりします。そう、拡散がすごいからと、とても費用のかかった、大規模な仕掛けのものに見えるんですよね。そういったことが、イマイマのテクノロジーを活用することで見事に低価格で実現できる時代なのです。

 

いやー、バブル期のとてつもない規模感のイベントが記憶に残るバブル組には、ちと隔世の感があるかもしれませんが、いやいや追いついていきましょうよ。ちなみに来年2015年は、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2」でタイムトラベルする未来の設定となる年なわけなんですね。「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2」が公開された1989年からすれば、もうこの年代で車が飛んだりしていなきゃいけなかったわけですから、もっといろいろできるはず! と思って妄想膨らませてもいいのかもしれません。いい意味の妄想ね! はい、ではまた次回お会いいたしましょう。さいならさいならさいなら!