US発★米アンダーアーマーが「マーケター・オブ・ザ・イヤー」受賞
2015/01/15
2014年のアドエージ誌「マーケター・オブ・ザ・イヤー」に、米パフォーマンス・アパレル(スポーツ向け高機能衣料品)のアンダーアーマーが選ばれた。かつてメリーランド大のフットボール選手だったケビン・プランクCEO(42歳)が仕掛けた女性向けキャンペーン「I Will What I Want」(私の意思のままに)の成功が受賞につながった。巧みなPRにより売り上げを急速に伸ばす同社は、18四半期連続で20%を超える増収率を維持。14年の売上高は30億ドルの大台を達成する勢いだ。
好調の背景にあるのは、マーケティングのアプローチ方法の変更だ。従来、年間を通じて行っていたキャンペーンの頻度を数年前に見直し、年3回の大型休暇に照準を合わせたことで販売に大きな効果を上げた。
13年夏から始まったキャンペーンでは、身体的・精神的な強さを持ち、外からの重圧をはね返し、わが道を行く女性を称賛する。アメリカンバレエシアターのソリストであるミスティ・コープランドや、スーパーモデルのジゼル・ブンチェンといったエンドーサーの人選は、プランクCEOが12年にファッションブランドのセオリーから引き抜いたリーン・フレマー副社長兼女性向け部門クリエーティブディレクターが行った。
キャンペーンの動画では、筋肉質な体を持つコープランドの見事なダンス映像に「バレリーナにふさわしくない体形ゆえにバレエ学校を不合格になった」という自己紹介の音声がかぶり、ジゼル・ブンチェンがキックボクシングなどのトレーニングに真剣に励む姿の背後にはネットユーザーの否定的なコメントが次々と現れる。コープランドの動画は運命に打ち勝つこと、ブンチェンは周囲の雑音に打ち勝つことがテーマだという。
1996年、祖母宅の地下室でアンダーアーマーを立ち上げたプランクCEOの目標は、世界トップに上り詰めること。現在、業界3位の同社の売り上げはナイキの約10分の1だが、12年12月~14年8月の21カ月間の売上増加率はナイキの3倍に相当。強豪がひしめく業界で、2位のアディダスも交えた競争の熾烈化がうかがえる。
なお、投資会社のカナコード・ジェニュイティ社は14年12月1日付のリポートで、アンダーアーマーの年間売上高が今後5年以内に100億ドルを超える―との予測を明らかにしている。
出典:Ad Age
Ad Age's 2014 Marketer of the Year: Under Armour
http://bit.ly/1zFisOz