地域活性化へローカル放送局が挑戦(1)
テレビ新広島「Thank you for zero」
赤ちゃんの誕生を地域で祝う「はじめてばこ」
2016/01/25
テレビ局が地元結集のハブになる!地域活性化へローカル放送局が挑戦(1)
地方創生が叫ばれる中、地元媒体社が地域密着の強みを発揮し、多彩な施策でエリアの活性化に貢献している。今回の特集では、ローカル放送局の取り組みにフォーカス。地元企業と連携し住民一人一人に寄り添った取り組みや、系列局を超えた新機軸の企画、地元の人々と共に県産品の魅力を再発見する試みなど、アプローチはさまざまだ。ローカル局保有の映像をウェブで配信したり、海外局へコンテンツを供給するなど、地域の魅力を発信する動きも加速している。その一端を6回にわたりリポートする。
赤ちゃんの誕生を地域で祝う「はじめてばこ」
赤ちゃんが生まれた家庭に、地元のテレビ局からお祝いの贈り物が届くーそんな画期的な取り組みを展開しているのがテレビ新広島(TSS)の開局40周年記念プロジェクト「Thank you for zero」だ。40を「フォーゼロ」と読み替えて「0歳児のために」とした同プロジェクトは、「命を未来へとつないでいくことの尊さと大切さを伝えていきたい、すてきな未来をみんなでつくっていきたい」との思いから企画された。2015年4月2日から16年4月1日に生まれ、広島県民となった0歳児が対象で、応募があった全ての0歳児に「はじめてばこ」というプレゼントボックスが届けられる。これまでに約6500人にプレゼントされた(2015年11月末現在)。
はじめてばこには、赤ちゃんの「はじめての瞬間」を一冊の写真集にする特製の「はじめてアルバム」、はじめての歌を歌ってあげるための童謡などの歌詞カード「はじめましてカード」、そして協賛企業からのプレゼントなどが入っている。プレゼントを取り出した後の箱は、はじめての靴、はじめてのおもちゃ、はじめて描いた絵などの大切な「はじめての記念品」を保管しておけるようにとしつらえてある。
協賛社はナショナルブランドだけでなく、地元に貢献したいと多数の地場企業が積極的にプレゼントを提供し、配達は地域に密着している地元の生協が担っている。
テレビ新広島の営業本部業務推進局局長兼コンテンツ営業開発部長の香川正二郎氏は「赤ちゃんに優しい街は、誰にでも優しい街。これからも広島が平和を愛し、幸せな街であるようにと赤ちゃんに思いを託している。赤ちゃんの誕生を中心に、地域全体に喜びの輪が広がり、盛り上がりにつながる手応えを感じている」と語った。2015年4月には、実際に二人の子育てをしている地元のシンガー・ソングライター藤江潤士さんによるテーマソングも公開。企業とのタイアップCMなどで使用される他、スペシャル番組や40周年イベントなどでは藤江さんによる歌が披露されている。
家族だけでなく、地域も一緒に希望と喜びを分かち合えるプロジェクトは、今年も継続の予定だ。
www.tss-tv.co.jp/thankyouforzero/