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ArounD 30 ○○をもっと面白くするアイデアNo.19

「色選び」をおもしろく

2017/03/23

電通の若手アートディレクターが考える「○○をもっと面白くするアイデア」をご紹介。今回は、今井祐介さんによる「色選びをおもしろく」です。

色選びをおもしろく

「うまい」より「すごい!」

──なぜ「色選び」というテーマにしたのですか?

今井:昔から物の見え方に興味がありました。父親がイラストレーターなのですが、僕が小学生の時に父親の事務所で、夏休みによくある環境ポスターコンクールに出す絵を描いていて、コップに入った水を水色に塗っていたら、水は透明なんだから透明に描きなよって言われて、確かに!と思ったのがきっかけでした。特に色は顔色の良しあしや山の紅葉みたいに、色の違いで感情や体調、季節の違いなど、形は一緒なのに受ける印象が変わるというのが面白いなって思っていました。ADとして、ビジュアルデザインを通して人がどう思うか、感じるかということを毎日考えて仕事をしているのですが、人の認識っていうのはちょっとしたことで変わるんだと思うことがよくあります。この作品は同じ形のものが赤からオレンジ、オレンジから黄色と色が変わっていくだけなのに、違うものに見えていき、またその境界が曖昧でどこからがトマトでどこからがオレンジなのか、そんな面白さを表現しています。自分たちが普段なにを通してモノを理解してるか、またちょっとしたことでそれが変わってしまう、人の曖昧な面白さとか。そういうことを表現したいと思ってこのテーマを選びました。

昔ダンスをやっていた時のことですが、「うまい」って言われるよりも「すごい!」って言われる方がうれしかったんです。その人が思っていたものを超えて喜んでもらえた気がして。デザインもそんな「すごい!」って感じてもらえるようなシンプルで、それでいて発見や驚きがあるものを発信したいと思っています。

色選びをおもしろく/電通 4CRP 今井祐介

気になることから新しい発見が

──今はまっていること、興味があることを教えてください。

今井:昔から好奇心が強くて、毎日いろんなことが気になっています。例えば仕事で取り組んでいることだったり、友人の結婚式、ニュースで見たこととか。一つのきっかけがあるとそれに関連したお店や人が気になって、その時々の興味を日々メモしています。前に下水関連の仕事をしていたときは、普段生活の中であえて見ない部分なのでいろんなことが気になりました。当たり前だけど蛇口から出た瞬間に水は全部下水になるんだなとか、雨と下水の境界とか、トイレも下水道も見えないを普通にしてくれてるんだなとか。その中から新しい発見があり、別の仕事や人とつながったりして面白いんですよね。そういうこと考えることが仕事っちゃ仕事なのですが。仕事と興味が曖昧な今がとっても幸せです。