ArounD 30 ○○をもっと面白くするアイデアNo.17
「和菓子」をもっとおもしろく
2017/03/16
電通の若手アートディレクターが考える「○○をもっと面白くするアイデア」をご紹介。今回は、柴谷麻以さんによる「和菓子をもっとおもしろく」です。
伝統の技術で現代ならではの和菓子をつくってみる
──なぜ「和菓子」というテーマにしたのですか?
柴谷:中・高・大と一緒だった親友が今、ある老舗の和菓子屋に和菓子職人として勤めていて、大人になったら何か一緒に仕事をしたいなぁと昔からよく二人で話していました。この企画では、好きなことを何でもしていいということだったので、その親友に協力してもらうことにしました!
和菓子は昔から四季折々の風景が描かれていて、とてもきれいなのですが、洋菓子ほど自由なものが少ないなと思っていて、今回、伝統的な和菓子の技術を使いながらも、現代ならではの四季の風景を描くことにしました。
私は和菓子の見た目のことしか考えていなかったのですが、彼女は更に、実際に食べてもおいしい、というところにもこだわってくれました。撮影のためにいくつも検証してつくってくれた和菓子はどれも最高においしくて。フォトグラファーの家のベランダで撮影してもらったのですが、天気も良くて和菓子もおいしくて、まったり楽しい撮影になりました!
和菓子の材料の紹介をします。
杉の香
練り切りという白あんに、砂糖と求肥(ぎゅうひ)などを加え練った生地を、「はりぼかし・つつみぼかし」という技法で包み、1枚1枚専用のはさみで切ったもの。春の杉花粉をイメージしました。
夜行の路
寒天、砂糖、水あめなどを加え煮詰めて固めた、和菓子の中で最も透明感のある錦玉羹(きんぎょくかん)を使い、透き通った群青色の夏の夜空に光る車のヘッドライトを表現しました。
秋の夢
米粉、砂糖を蒸し上げてつくる外郎(ういろう)を使用し、人肌のようなもちもちとした滑らかな質感の皮に、オレンジ色のあんを透けさせて、よりリアルな肌感を目指しました。おいしいものをたらふく蓄えた秋のおなかを表現しています。
冬籠
はちみつをたっぷり使い、しっかりとした食感のどら焼きに、練り切りでつくった猫をはさみました。どら焼きを分厚い生地にすることにより、座布団の間に挟まって暖をとる猫を表現しました。
──今、関心のあることを教えてください。
柴谷:乃木坂46のPVをきっかけに、その制作チームで太陽コンピューターという音楽ユニットをつくったのですが、PVの時以外も自主的に活動する予定がなかなかできていないので、それを今年はがんばりたいと思っています。