英国ホックニー展 iPadペインティングのデジタルOOHで開催告知
2017/03/24
英国ロンドンのテート・ブリテン国立美術館で、同国現代アートの巨匠デービッド・ホックニー氏の過去最大規模の回顧展が開催中だ(5月29日まで)。
今年7月に80歳になるホックニー氏は20世紀の現代美術を代表する一人で、写真やコピー機など新しい手法を意欲的に取り入れており、2010年からはiPadを用いてデジタルで作品を制作している。
ポスタースコープとオーシャン・アウトドアは、同展覧会の開催告知キャンペーンとして、ホックニー氏の作品がiPad上で仕上がるまでのプロセスをアニメーションクリップにし、英国7都市のOOHスクリーンで配信した。これはデジタルOOH初の試みだ。
OOH上で展開されたのは、ホックニー氏が2010年にiPadで彼のロサンゼルスの家の庭を描いた作品で、タイトルは「無題、382番」。
展覧会初日の2月9日からの7日間で、2000 万人もの人がロンドン、マンチェスター、バーミンガムなどの各都市の巨大OOHスクリーンで、独特な絵画スタイルを生み出すホックニー氏の筆致を目の当たりにした。
ホックニー氏のiPadペインティングの筆致がデジタルOOHのスクリーンで展開された
ホックニー氏は「私の庭の絵が、ヨーロッパで初めて、そして今までで最大のキャンバスに描かれるというに非常にエキサイティングな瞬間だ。この作品を描きながら、もっと大きな画面でみたらより素晴らしく見えるのにと思っていた。私は英国中の人々がこの絵が出来上がるまでをOOHでライブで見てくれるのをうれしく思うし、これを機にテート・ブリテンまで展覧会を見に来てくださることを期待している」と語った。
ポスタースコープUKのグレン・ウィルソン社長は「創造性と革新を体現する組織として知られるテート・ブリテンは、ホックニー展の開幕にあたり、ホックニー氏の驚くべきデジタルワークを紹介するユニークな方法を探し求めていた。このキャンペーンは、デジタルOOHでの配信によって、大きなインパクトをリアルタイムで提供するもの。私たちは、このプロジェクトに寄与できたことに大変興奮している」と語った。
また、テート・ブリテンのディレクター、アレックス・ファークハーソン氏は「ホックニー氏の素晴らしい芸術を、このようなインパクトのある革新的な方法で、英国において人々と共有でき大変うれしく思う。巨大なOOHスクリーンで絵画が完成されていくのを見るのは、ホックニー氏の作画プロセスのニュアンスがさらに増幅される素晴らしい体験。人々がこの試みに触発されて、絵を描く新たな技法にトライしてくれること、そして、ホックニー回顧展を見にテート・ブリテンを訪れてくれることを望んでいる」と語った。