ロボット月面探査レース
HAKUTOとインドチームが
共同イベントを開催
2017/04/25
世界初のロボット月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」に挑戦する日本の民間チーム「HAKUTO」と、通信技術のサポートを行うKDDIは4月21日、東京・文京区の宇宙ミュージアム「TeNQ(テンキュー)」で、「au×HAKUTO 民間月面探査チーム『HAKUTO』 スペシャルイベント in TeNQ」のメディア向けPRイベントを開催した。
スペシャルイベントは4月23日~5月7日、TeNQで実施される。HAKUTOのローバー(月面探査機)「SORATO」が相乗り契約を結ぶインドチーム「チーム・インダス」を招き共同で行う。インダスが開発する月着陸船のミッションやローバーの技術を、直接見て聞いて体感できる。
HAKUTOの袴田武史代表は「イベントでは、チーム・インダスのローバーも披露する。年末に予定されている打ち上げに向けて、リアリティーを感じてもらい一層の応援をお願いしたい」とあいさつし、クラウドファンディングプロジェクト(https://a-port.asahi.com/projects/hakuto/)を紹介した。SORATOは、最終組み立て・試験を経て、夏にはインドに向けて輸送。12月28日、チーム・インダスと共に、インドの国産ロケット(PSLV)に載ってサティシュ・ダワン宇宙センターから飛び立つ予定だ。KDDIの山田隆章コミュニケーション本部長は「宇宙空間での通信という未知への挑戦が始まる。HAKUTOのメンバーと協力し、プロジェクトの成功をサポートしたい」と話した。(https://au-hakuto.jp/)
チーム・インダスのスリダー・ラマスバン氏は、同チームの概要やミッションについて説明。HAKUTOについて「良きライバルであり、協力者でもある」と述べると、袴田代表も「インダスは、共にチャレンジしたいと思えるチームで、一緒に宇宙産業を盛り上げていきたい」と話しながらも「レースの優勝は譲れない」と自信を見せた。
東京大の宮本英昭教授と、東北大の吉田和哉教授は“月のサイエンス”についてトークを展開し、地球と月の距離(38万キロ)や月の表面積(日本の面積・38万平方キロ×10)に言及。「月のキーワードは38。もう一つの“38”は、SORATO打ち上げ時の袴田代表の年齢だ」と笑わせ「このプロジェクトは、科学者もとても注目し楽しみにしている」と語った。
スペシャルイベントでは、両チームのローバー実寸パネルや「au×HAKUTO MOON CHALLENGE」の説明パネル展示、月探査の歴史展示などが行われ、29、30の両日は、HAKUTOメンバーによる講演や、SORATOの操縦体験も実施される。