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BC & F Dentsu、2019年エフィーAPACで五つのメダルを獲得

2019/05/31

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    「Effectiveness Always Wins」(効果的なアイデアは、必ず勝つ)をテーマに、マーケティングコミュニケーション活動の効果を競う「アジア太平洋(APAC)エフィー・アワード2019」(※1)の受賞結果が4月25日に発表された。

    ニュージーランド・オークランドを拠点とする電通グループのBarnes Catmur & Friends Dentsu(以下BC&F Dentsu)(※2)はゴールドを含む五つの賞を受賞し、最も高い効果を上げたエージェンシーを選出する「エージェンシー・オブ・ザ・イヤー」3位に輝いた。

    ※1 エフィー・アワードは1968年にNew York American Marketing Associationによって制定、マーケティング効果のグローバルスタンダードとして知られる。そのアジア版が「APACエフィー・アワード」。2019年は参加した14カ国から131のファイナリストが選ばれた。

    ※2 1996年に設立されたニュージーランドの大手総合広告会社で、現在は電通傘下。広告戦略の策定、クリエーティブの制作、メディアバイイングからデジタル、ソーシャル領域までを含むサービス全般を提供している。
     

    今回のBC&F Dentsuの受賞作品は以下の通り。

    ■「The Face of Change」Movember Fundation - 金賞1(Small Budget - Services)、銅賞1(Governmental / Institutional)


    ニュージーランドは世界で最も少年の自殺率が高い国として知られているが、声を上げることが難しい少年たちをどうすれば助けられるだろうか? チャリティー活動に参加し、男性のメンタルヘルスに関心を持ってもらうことで、彼らに意思表示してもらうことを提案した。

    今回選んだのは、「Movember」というチャリティー活動を行う機関のキャンペーンだ。Movemberは、11月(November)にひげ(Mos)を伸ばすことが参加資格となるユニークなチャリティーで、ひげを成長・成熟の証しとして男性版ピンクリボンのような活動を行っている。チャリティーの内容は、前立腺がんの正しい知識を広めたり、治療のサポート、うつの改善や男性の健康全体の向上を目的としている他、少年たちの自殺防止にも力を入れるなど多岐にわたる。

    このチャリティーに若い彼らが参加できるよう、ニュージーランド全土の高校の校長らに手紙を送り、校則から「ひげを生やしてはいけない」という項目をなくすことをお願いした。さらに、学校側がこの手紙を無視せぬよう、新聞にもその内容を載せ、世間からの支持も得られるよう工夫した。

    その結果、募金は前回から40%増の170万ドルと記録を更新。これらの募金は「Movember」のチャリティーの活動費に充てられる予定だ。

    ■「Declaring War on Norway」Meridian Energy - 銅賞2(Other Products & Services, Positive Change Environmental - Brands)


    ニュージーランドとノルウェーは、面積も人口もほぼ同じ。何かと比較されることが多いが、ニュージーランドは多くの面で進んでいるというのが一般的な認識だ。これに対しノルウェーは、「ノルウェーはニュージーランドの20倍以上もの電気自動車が普及している」と、自国の優れている点をアピールすることでニュージーランドへと攻撃をしかけた。

    そこで、ニュージーランドの国営電力会社であるMeridian Energy社は、ノルウェーにプロモーションのひとつとして製作した「My next car will be electric」(次は電気自動車を買うつもり)という車両用のステッカーを製作して「反撃」するという、ユーモアを交えたキャンペーンを展開。、ノルウェーEV協会のCEOにツイートされるなど、大いに話題となった。

    このキャンペーンを通して、同社のネット・プロモーター・スコア(※3)は3倍になり、競合数社の合計値を超える新規顧客数を獲得した。

    ※3 顧客の継続利用意向を知るための指標
     

    ■「How Tower Simplified Insurance」Tower Insurance - 銅賞1(Single Market – Products & Services Categories: Financial Products & Services)


    Tower Insurance社は保険の難しくて面倒なイメージを払拭する広告キャンペーンを実施した。「What the world does. We undo.」(世界が壊すものを、私たちが直す)というコピーを掲げ、壊れたものが巻き戻されて元に戻る映像や、半分破壊されている野外広告を通して、顧客に対してシンプルで分かりやすく身近に感じることのできるブランド戦略の訴求を行った。

    電通の海外ネットワークであるDANグローバルCEOでクリエーティブ部門を統括するDick van Motman氏は、「電通のDNAは、『成果を生み出す創造力』。BC & F Dentsuは、ネットワーク内でもこのことを大変よく理解している拠点のひとつです。ADFESTで電通グループがネットワーク・オブ・ザ・イヤーに選ばれた直後に彼らが受賞したことは、私たちの使命を実証するものです」とコメント。

    また、BC & F Dentsu の常務取締役Murray Streets氏は、「チームの皆を代表して、エージェンシーの全員で達成したこの勝利を大きな誇りに思います。当社はAPACで3回にわたり独立系ナンバーワン・エージェンシーに選ばれてきましたが、電通のネットワークに加わったことで更なる成長を遂げました」と述べた。