世界最大級のテックイベント「VivaTechnology」開催@パリ
~Tech for Good:テクノロジーで世界を良くする~
2019/06/10
世界最大級の大企業・スタートアップの共創テックイベント「VivaTechnology」(以下VivaTech)が、5月16~18日、フランス・パリで開催された。
「フレンチテック」という言葉で知られるように、フランスはスタートアップ支援に積極的な国家として注目されており、VivaTechはその象徴となるイベントだ。
4回目の開催となる今回は、公式発表で125カ国から1万3000ものスタートアップが参加し、会期中には12万4000人が会場を訪れた。いずれも過去最大の規模で、空間としても展示エリアを拡大し、よりスケールアップした。
「Tech for Good」をテーマに掲げるVivaTechは、“テクノロジーで世の中を良くする”という社会課題解決型の視点が強いイベント。世界のイノベーター、テック愛好者、スタートアップをはじめとする未来の“革命家”をつなぐ空間だ。
オーガナイザーは、フランスのエージェンシーであるピュブリシスグループと、同じくフランスの経済メディアであるレゼコーグループ。政府・大企業・スタートアップ・一般市民を巻き込むイベントを、エージェンシーとメディアの共創で実現した。
会場は大きく「セッション会場」「ホール1」「ホール2」の3エリアで構成。
セッション会場では、フランスのマクロン大統領をはじめ、カナダのトルドー首相、欧州委員会のマルグレーテ・ベステアー氏、アリババ創業者のジャック・マー氏、オリンピックゴールドメダリストのウサイン・ボルト氏など、そうそうたる顔ぶれが一堂に会した。
マクロン大統領やトルドー首相は、5G時代の国家安全保障のあり方や、プライバシー侵害やオンライン上に溢れる過激な主張に対応するための政策の重要性について、国家的視点でトークを展開。 また、名だたる企業のCEO/CXOらが、自社のテクノロジーも紹介しつつ、いかにより良き社会をつくるのかという視点で意見を発信した。
メインエリアのホール1は、大企業とスタートアップのオープンイノベーションの場。さまざまなラボやアクセラレーターのブースが設置され、最もにぎわいを見せていた。
ブース展示では、大企業とスタートアップのユニークな共創の仕組みとして、「VivaTech Challenge」という制度が導入された。大企業側がテーマを打ち出し、そのテーマに合致するスタートアップが応募。セレクションに通過したスタートアップは、大企業のブースエリアで自社サービスの展示ができるというものだ。
そして今年から拡張されたエリアであるホール2は、ビジネスセンターをはじめとしたネットワーキングスペースの他、自然との共生・サステナブルな社会を意識した「グリーンテックパーク」が注目を集めた。直近のダボス会議でも大きなテーマだったSDGsの流れを受けて、スマートエネルギーや自然との共生に取り組むスタートアップなどが特集された。
また、アフリカの課題を解決する欧州のスタートアップや、アフリカ出身のスタートアップを紹介する「アフリカテック」ブースがにぎわいを見せていた。