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令和のテレビパワーNo.1

2020/02/26

テレビの持つ「3UP効果」とは?

令和の時代に求められるのは、メディアごとの特徴を生かしたマーケティングです。いくつものメディアがある中で、テレビの強みはどこにあるのでしょうか? 

昨年、私は「テレビの3UP効果」というビデオを作りました。制作に当たり、改めてテレビの効果・価値を総括し、これからの方向性を考えてみました。

 

 

多くの人を巻き込む力「Scale-Up」

「テレビの3UP効果」の一つ目は、「Scale-Up」です。テレビには内容次第で多くの人を巻き込み、興味を抱かせる力があります。

デジタル広告はピンポイントで「個」に浸透するのに対し、テレビ広告はメインターゲットに加え、その「周辺層」にもリーチして、アピールすることができます。このことに気付いたクライアントは、デジタルシフトに傾いていた宣伝戦略を見直してテレビ広告に回帰し、売り上げを増やすケースが多数確認されています。

例えば洗剤ブランドXは、デジタル広告やSNSでのコミュニケーションに注力していましたが、シェアが伸び悩んでいました。その理由として、ブランドにこだわらない層に広告がスルーされてしまったり、実購買層に広告が十分に当たっていなかったことが考えられます。そこで、テレビ広告を増やしたところ、広告による波及がターゲット以外にも広がったことで、商品への関心度が上昇。シェア拡大につながりました。

テレビの力1
ビデオリサーチとインテージのデータをもとに著者が作成。

早く届く力「Speed-UP」

二つ目は「Speed-UP」。情報伝達の早さも、特筆すべきテレビの力です。

テレビでは、1日100GRP(※1)が一般的な出稿量ですが、この場合は延べ6000万人に、CMが当たる計算になります。デジタルの動画広告では同じ延べ6000万人に当てようとすると、約1週間かかるといわれています。テレビには圧倒的なスピードがあるので、短期間でシェアを取るのに向いています。

※1 GRP:Gross Rating Point(延べ視聴率)。あるテレビCMを一定期間流した時の視聴率の合計。例えば、視聴率1%の番組にテレビCMを1回流した場合は1GRPになる。
 

テレビの力2
ある携帯アプリの事例では、10万ダウンロードを達成するまでの期間が、デジタル広告のみの告知では「4.5カ月」かかっていました。これに対して、テレビCMを投下すると、ダウンロード数が約9倍になり、わずか「0.5カ月」で10万ダウンロードを達成したケースもあります。テレビには圧倒的なスピードがあるので、短期間でシェアを取るのに向いています。

興味を呼び起こす力「Interest-UP」

最後は、生活者の興味・関心を呼び起こす「Interest-UP」です。

今の生活者はスマホに接触する時間が長いので、それだけデジタル広告も見られているはずです。しかし、スマホユーザーは興味のある広告はしっかり見ていますが、興味のない広告はスルーしがち。つまり記憶にとどめていないことがほとんどです。調査によれば、商品への「低関心者」の広告注目率(※2)は7%にすぎませんでした。

※2 広告注目率:広告の記憶率を示すスコア。 広告を提示してその広告の記憶を、「確かに見た」「見たような気がする」「見たことがない」という基準で測定する。
 

一方、テレビの場合は、商品の「低関心者」であっても広告注目率は26%。スマホは能動的に情報を取りに行くメディアなので関心のない情報は無視されがちですが、テレビは受動的なメディアのため、継続的に広告を打つことで、低関心者にも注目してもらえるメディアであることが分りました。

テレビのチカラ3
電通オリジナル 広告注目率調査

テレビとデジタルを融合したプランニングが重要

もちろん、デジタル広告には効果がないと言っているわけではありません。先ほど述べたように、デジタル広告は興味がある視聴者には非常に訴求力が強く、広告をきっかけに訴求商品やサービスの公式サイトに遷移するケースも多く見られます。

また、広告接触者の購買率はテレビと同等か、それ以上の場合もあります。しかし、ターゲットをピンポイントに狙うぶん、スケールが拡大しにくい面も否めません。

メディアプランニングの手法に、「リーチ・マックス」という用語があります。コンバージョン数を明確に予測できないものの、広く告知すればそのうち何%かの人は買ってくれるだろうという考え方です。

広告費が大きいからテレビを先に考える、あるいはコンバージョンがいいからデジタルだけを考えるのではなく、売り上げと広告予算を考えて、テレビなどのマスメディアをプランニングすることが重要です。

デジタルメディア全盛の現在でも、「3UP効果」を持つテレビの価値は十分にあります。デジタルとテレビ、それぞれの得意な部分を生かし、プランニングをしていくことが大事です。