壱岐から世界へ。人工磯「リーフボール」で海藻を再生し、豊かな漁場の復興を目指す(前編)
日本でカーボンニュートラルのためのさまざまな取り組みが行われています。その中でも注目されているのが、海洋生態系によって炭素を取り込んでいく「ブルーカーボン」です。地球温暖化対策と海の豊かさの保全を同時に行える対策として、海に囲まれた日本でも関心が高まっています。
Transformation SHOWCASEでは、ブルーカーボンにおける取り組みの1つとして、大きな可能性を秘めた人工礁「リーフボール」に注目し、それを普及しようと取り組んでいる方々への取材記事をお届けしています。第1回の記事では、アメリカで開発されたリーフボールを日本に持ち込んだ、長崎県の株式会社朝日テック 代表取締役の池田修氏にお話を伺いました。その池田氏と二人三脚で普及に取り組んでいるのが、一般社団法人マリンハビタット壱岐 代表理事の田山久倫氏です。そこで、第2回の記事では、生まれ育った故郷・壱岐市でリーフボールの実証実験などを行う田山氏の活動に焦点を当て、株式会社 電通の藤孝司氏がお話を伺います。
地元貢献への思いとリーフボールとの出会い

リーフボール実証実験で海藻の育成の成功

故郷の壱岐でリーフボールの普及活動を行う田山氏は、地道な活動や実証実験こそが、理解していただける人を少しずつ増やしていく事につながると語ります。後編では、ビジネスとして取り組む田山氏の覚悟や、実証実験のレポートをお届けします。
※掲載されている情報は公開時のものです
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著者

田山 久倫
一般社団法人マリンハビタット壱岐
1991年5月13日長崎県壱岐市生まれ。日本文理大学経営経済学部出身。学生時代は硬式野球部に所属。現在は事業構想大学院大学在学中。30歳の時、「島に貢献したい」という思いからUターンを決意。リーフボールとの出会いをきかっけに、海の砂漠化「磯焼け」を克服するという目標を掲げ、一般社団法人マリンハビタット壱岐を設立。ふるさと壱岐島から、深刻な海洋環境問題解決のための、ロールモデル創出に向けて挑戦中。

藤 孝司
株式会社 電通
環境・エネルギー領域のスペシャリストとして、株式会社 電通内の横断組織DEMSに所属し、国内外のエネルギー関連企業、スタートアップとの事業開発等を10年以上担当。2019年から脱炭素・カーボンニュートラル領域を担当し、グループ横断でのカーボンニュートラルに関するソリューション・取り組みを連携し、ご提供していく「dentsu carbon neutral solutions」を立ち上げる。環境省と行動経済学(ナッジ手法)を活用した脱炭素型ライフスタイルへの行動変容ナレッジの開発や海洋国家である日本として取り組むべき磯焼け問題(海の砂漠化)解決のためのブルーカーボンプロジェクトを社内外メンバーとプロジェクトを推進。2025年の大阪・関西万博を「海の万博」として日本独自の取り組みを世界各国に発信していくことを目標に日々活動中。

