伊藤忠ファッションシステムは2024年5月、ファッション産業のサステナビリティを「見える化」し、信頼できる仕組みとして社会に提示するための一般社団法人Re-Creation を立ち上げました。本プロジェクトでは、企業のサステナブルな取り組みを可視化する認証スキームを開発し、生活者が商品を手に取るときに、価格やデザインだけではなく「環境や生産現場に配慮できる選択かどうか」を考えるきっかけをつくることで、業界全体はもちろん、生活者も共にバリューチェーンを再創造することを目指しています。
今回は、Re-Creationの認証を取得したエドウイン クリエイティブディレクターの細川秀和氏、Grow Organicを運営するkurkku alternative 代表取締役社長の江良慶介氏をゲストに迎え、伊藤忠ファッションシステム ifs未来研究所/Re-Creation専務理事の山下徹也氏と、Re-Creationのコミュニケーションに伴走する電通 クリエイティブディレクターの外崎郁美氏がお話を伺いました。
ジーンズづくりの現場で芽生えた“変える責任” 外崎:まずはファッション業界において、早くからサステナブルな取り組みを推進してこられた細川さんに、サステナブル意識が芽生えたきっかけや、エドウインとしての具体的な活動についてお聞きしたいと思います。
細川:私はデニムが好きで、1990年にエドウインに入社しました。入社当時、研修の一環でジーンズを洗う秋田の自社工場に勤務したのですが、その環境が非常に衝撃的でした。当時はケミカルウォッシュ全盛の時代で、塩素系の薬品(次亜塩素酸Na)を染み込ませた軽石を使ってジーンズをストーンウォッシュしていたんです。作業中は目が痛くなり、食べ物の味が変わるほど。今で言う労働環境や環境負荷への配慮が足りておらず、「もっといいやり方があるんじゃないか」と感じたのが出発点でした。 ジーンズは、古着のように色落ちや経年変化に価値がある数少ないアイテムです。だからこそ、その加工の負荷は他の衣料品よりも大きく、私たちジーンズメーカー側の責任も大きい。負荷の高い薬品を何かに置き換えられないかと、自然由来のものを模索する取り組みが始まりました。
エドウイン 細川秀和氏 エドウインで最も歴史のある自社工場、秋田の「EDWIN BASE 」 外崎:当時はまだ「サステナブル」という言葉が一般的ではなかったと思いますが、ご自身の経験が動機だったのですね。
細川:ええ。大義名分というより、「これって、なんとかならないか?」という素朴な疑問から始まりました。その後、業界ではさまざまな試行錯誤を経て、現在はオゾン脱色によって薬品を使わずに色落ちを実現したり、循環ジェットウォッシュによって水の使用量を大幅に削減したりと、クリーンな加工へと移行しています。ユーズド加工も、かつては手作業だったものをレーザーに置き換えることで、労働負荷の軽減にもつなげています。ジーンズのように工程が長く、環境負荷が高い製品だからこそ、代替が進んでいることは一つの成功事例といえるかもしれません。
山下:90年代後半、環境配慮への機運が高まる中で、グローバルブランドが厳しい基準を設け始めましたが、特にジーンズのブランドはその中でもひときわ視座が高かった印象があります。
伊藤忠ファッションシステム ifs未来研究所/Re-Creation 山下徹也氏 外崎:それはどのような理由からだったのでしょう?
細川:ジーンズのサプライチェーンは非常に長く、加工工程も多いため、環境や労働への負荷が目立ちやすいんです。例えば、過マンガンカリウムは、その強力な酸化作用を利用してジーンズの脱色に使われますが、バングラデシュなどの暑い国では、労働者が素足・素手で作業することもあり、その紫色の薬品が直接肌に触れる。その様子が映像や写真で伝わると、一目でストレスの大きさが伝わります。ジーンズはそうした「余計なこと」が目立つからこそ、より厳しい基準を自ら課す必要があったのだと思います。
江良:細川さんは業界の中でも、かなり早くからサステナブルな取り組みにチャレンジしていた印象があります。2005年ごろにはウガンダでオーガニックコットンの活動をしていましたよね。
細川:ええ。当時、ジーンズの環境負荷について試行錯誤している中で、素材の川上にあたる綿の重要性に気づいたんです。当時は農薬の使用量も非常に多いと言われており、向き合うべき課題だと感じていました。そんな中で、ジーンズに適した綿を探していた際、大阪の大正紡績さんとともにウガンダにたどり着きました。ウガンダといえば内戦の印象しかなかったのですが、人を頼りに現地の情報を集め、ウガンダで活動するNGOのハンガー・フリー・ワールド、児童労働問題に取り組むNPOのACE、そして現地の工場の方々と連携して、「BORN in UGANDA ORGANIC COTTON」というプロジェクトを立ち上げたんです。そんなタイミングで、とある方から紹介されたのが、江良さんとの最初の出会いでしたね。 また、当時から全社的に自社工場での労働環境の改善や、LED導入などもランニングコスト削減の目的ではありますが積極的に進めていました。社員の課題を解決しようというごく自然な取り組みが、結果的にサステナブルにつながっていった。そういう意味で、われわれにとっては当たり前のことだったんです。
外崎:結果的に、自然とサステナブルな方向に向かっていたんですね。
細川:そうです。企業として当たり前の改善を積み重ねてきたという感覚です。ただ、世界的な基準で見ると、日本のものづくりの現場には、今も工場ごとに独自の慣習が残っている場合があります。それらは長い年月をかけて形成されてきた運用で、必ずしも悪いわけではありません。しかし、グローバル基準とは合致しないケースが出てくることも事実です。例えば、合意書類を伴わない手続きや、暗黙の了解のまま続いてきた慣行などがその一例です。私たち自社工場では早い段階から労働環境の改善や設備の見直しを進めてきましたが、今後は業界全体としても基準のアップデートを進め、国際的な視点との整合性を図っていくことが必要だと感じています。
オーガニックコットンを“買う”だけで終わらせない。顔の見える関係づくり 外崎:続いて江良さんに、サステナブルに関心を持つようになったきっかけと、現在の事業につながる背景をお聞きします。
江良:情報処理が強い大学だったことから、卒業後は外資系IT企業に入りました。たまたまでしたが、ちょうど世界的にITバブルが起きていたタイミングで、バブルの流れの中で得るお金で音楽や旅といった好きなことを楽しもうと考えていました。しかし、競争の激しい世界なので、働きづめになってしまい、自分の時間がまったく持てなかった。お金と幸せのバランスが取れないことに気づき、思い切って退職し、バックパックをかついで世界を放浪し始めたんです。 その途中で子どもが生まれたこともあり、生活のために再び働く必要が生じたのですが、同じ業界に戻るとまた同じジレンマに陥るので、次は「好きなことを仕事にしよう」と決めました。そんなとき、たまたま学生時代の友人がNPOでゴミ拾いの活動をしていて、手伝ってみたところ、自分の行動が人に喜ばれるという体験に気づきを得ました。自身の利益だけを追求するよりも誰かのためにも行動することの方が、仕事の幸福度や満足度が高い。そこが一つの大きな転機になりました。その後、教育やアートの領域で貢献する方法を模索するようになり、新たに立ち上がる会社があると声をかけられたのがkurkkuでした。私がジョインしたのは2005年です。
kurkku alternative 江良慶介氏 外崎:kurkkuは「サステナブル」を「文化」に昇華させていたイメージがあります。
江良:環境プロジェクトに非営利で融資を実施していたap bankがコンセプトプロデュースを行う、「サステナビリティ」の実践の場として音楽家の小林武史さんが立ち上げたのがkurkkuです。衣・食・住などのライフスタイルの中で、地球環境や社会への配慮を心地よく実践していく目的でスタートしました。 私はその中で、コンサートグッズを環境対応にしていく取り組みを担当することになり、オーガニックコットンのTシャツやタオルの制作に関わりました。そのときに、大量のオーガニックコットン調達が必要になり、めぐりあったのが伊藤忠商事でした。日本国内のオーガニックコットン流通量が年間300トンだった時代に、そのうちの約100トンを調達したことになります。
Grow Organic インド セメラ村のコットン畑(写真:穴見春樹)私たちは実際にインドに足を運び、現地の農家や工場を訪問しました。農薬を使ったコットン栽培からオーガニックへの移行は、環境面でも労働環境の面でもメリットがある一方で、その移行には3年かかります。このスイッチングコストを農家がどう負担するのか、当時は支援の仕組みがほとんどなかった。そこで、オーガニックに移行中の綿にプレオーガニックコットンという名前を付けて、購入することで農家の移行支援につながるプログラムをスタートしました。ただ、私たちだけでは限界がある。共感してくれる仲間を探していたところ、最初に「一緒にやろう」と言ってくださったのが細川さんだったんです。こうして2008年に始まったプログラムは現在、農家の顔が見えて、かつ彼らの環境や経済をトラッキングしながら生産者と生活者が一緒にオーガニックな生活をつくるGrow Organicというプログラムに発展しながら続いています。
当たり前を価値に変えるには?第三者認証という「翻訳装置」 外崎:ここからは、Re-Creationとの出会いや共感のポイントについてお聞きします。まずは細川さん、どのような経緯でRe-Creationに関心を持たれたのでしょうか?
電通 外崎郁美氏 細川:エドウインでは自社の基準や、LeeやWranglerといったライセンスブランドの監査基準に基づいて、自社工場だけでなく協力工場にも厳格な監査を実施しています。これらの基準をクリアしなければ製造認可が下りないため、毎回非常に大きな労力を要します。 監査を前提に作られていない工場も多く、そうした現場では国際基準の監査をクリアすることに苦労する場面があります。私たち自身も、監査をクリアした工場でのみものづくりを行うことは“当たり前”でありながら、実際には大きな労力を伴うことを日々実感しています。そうした中で、これまで真摯に続けてきた“当たり前のこと”の価値を、どのように社会へ伝えていくべきかという課題意識がありました。ちょうどそのタイミングで、Re-Creation の事務局からプレゼンテーションを受けたのです。
外崎:当たり前のことを価値に変える難しさがあったということですね。
細川:はい。安全衛生管理や労務管理、雇用倫理などは企業として当たり前に取り組んでいることだからこそ、それらを価値として伝えることが難しいんです。CSRレポートでは言語化できても、それをブランドの価値として可視化するのは非常に難易度が高い。そこに第三者的な視点で評価をしていただけるフレームワークとしてRe-Creationがあることで、自分たちの活動を社会と接続できる可能性を感じました。
外崎:江良さんは、どのような経緯でRe-Creationに注目されたのでしょうか?
江良:最初に知ったのは、環境省のファッション・タスクフォースの流れの中だったと思います。みんなで集まってサステナビリティについて話し合う場があり、そのころからこの構想をなんとなく追っていました。 私たちは、インドの農家と顔の見える関係を築き、移行期間中のプレオーガニックコットンも含めて、非常に丁寧にトレースした情報をお客さまに提供してきました。場合によっては、第三者認証がなくても販売できるくらい、透明性のある管理を行っています。でも、それを私たち自身で発信するだけでいいのか?という葛藤もありました。 例えば私たちの発信していることを細川さんに共感してもらい、一緒に服づくりをしても、店頭でその背景に気づいてもらえるきっかけがないと、生活者にまでその価値は届きません。だからこそ、第三者認証という仕組みとマークがあることによって、その“気づきの入り口”を社会全体に広げられる可能性を感じました。
外崎:認証マークが持つ機能性にも期待されたんですね。
江良:そうです。20年前に比べれば、社会全体で環境や人権に対する関心を持ち、能動的に情報を求める人が少しずつ増えていると感じています。だからこそ、誰もが目にする共通のマークがあれば、「これってなんだろう?」と調べるきっかけになる。私たちのプロジェクトを知ってもらう手がかりとしても、そしてそうした社会の変化の一端を担うという意味でも、Re-Creationへの参加には意義があると思いました。
外崎:実際に、Re-Creationの認証を受けた製品についても教えていただけますか?
細川:当社は、20型の品番のジーンズ製品で雇用倫理の項目の認証を取得しました。ちょうど、世界初となる「リサイクルインディゴ」を使った製品を開発していたタイミングでもありました。日本を代表するデニムメーカーのカイハラさんの、製造工程で余るインディゴに染まった糸を回収し、そこからインディゴを再抽出して再利用する。これを長瀬産業さんと共同で実現し、初めて製品化できたプロジェクトです。Re-Creationに参画する第一弾としてふさわしい取り組みだと考えています。
(JACKETS)LM1022-100…101 ANNIVERSARY COWBOY JACKET/LM1022-126…101 ANNIVERSARY COWBOY JACKET (BOTTOMS)LM1023-100…101 ANNIVERSARY COWBOY 101/LM1024-146…101 ANNIVERSARY RIDERS 101-Z 外崎:残った糸からインディゴを抽出して再び染め直すなんて、聞いただけでワクワクしますね。
江良:私たちは、雇用倫理と透明性の二つの項目でTシャツの認証を取得しています。具体的には、インドの農家から始まり、綿繰り、糸づくり、生地、縫製、日本でのプリントまで、すべての工程をトレースしています。このTシャツはオンラインやイベントでの販売に加えて、知人の会社でユニフォームとしても使っていただいています。Re-Creationの認証があることで、その背景にあるストーリーを安心して届けられると感じています。
Grow Organic CM20/1 T-shirts for Happy Hikers コストの壁を越えるのは、信頼とストーリー 外崎:ここまで伺ってきて、サステナブルな取り組みはやること自体も大変ですが、それをどう価値として伝えるかがさらに難しいと感じています。お二人が続けてこられた取り組みを、生活者に届ける上での課題感はありますか。
江良:一番の課題は、「伝わりきっていないこと」だと思っています。どんなに良いことをやっていても、知られていなければ存在しないのと同じになってしまう。だからRe-Creationが、プロモーションも含めて「みんなで伝えていく場」になればいいと思うんです。各ブランドが単独で語るのではなく、共通のプラットフォームとして認証の意味や背景を社会に届けられるコミュニティのような存在になっていけることが理想ですね。
山下:まさにそれが、私たちがRe-Creationを立ち上げた理由の一つでもあります。細川さんや江良さんのように、長い時間をかけて取り組んできたことを、正しく生活者に伝える仕組みが必要でした。 例えばオーガニックコットンも、「赤ちゃんの肌に優しい」など価値が誤解されて伝わっているケースが少なくありません。オーガニックコットンの価値の本質は、生活者側ではなく生産者側にあります。農薬を使わないことで水源を守る、人体への悪影響が軽減される、生態系への影響も変わっていく。そういった正しい価値を正しい文脈で伝えれば、必ず響く人がいると信じています。
外崎:「オーガニックコットンは生産者を守る仕組み」ということを知っている人は少ないかもしれないですね。そして現場ではコストと価値のバランスが常に課題となっているようです。企業によっては、経営判断でサステナビリティの取り組みが止まってしまうケースもあると聞きます。
山下:おっしゃる通りです。事業サイドはサステナブルな取り組みを進めたくても、短期的に見た場合の収益性の観点で経営サイドからストップがかかることがある。今は中長期的視点で財務的な価値だけでなく非財務的な価値、つまり「信頼」や「共感」をどう可視化するかが問われています。 以前、細川さんが「認証を取ることがゴールじゃない」とおっしゃっていたのが、今も強く残っています。取得した後に「なぜ取ったのか」をどう伝えるかが勝負だと。私たちは、その伝えるきっかけづくりを少しでもお手伝いできる存在でありたい。つくり手、生活者に近い方、国際認証に詳しい方、さまざまな立場の方々と対話しながら、仕組み自体も進化させていく必要があると思っています。
細川:そうですね。価値を語ったときに、生活者の「買う理由」にまで落とし込めているかが重要です。社内のサステナブル意識を高めるのも義務感ではなく、ビジネスによる成果ですから。売れることが伴わないと、やり続けられないという現実があります。
山下:「買う理由」が重要だというお話は、私自身も体験として感じています。実は私、オーガニックコットンを見つけるとつい買ってしまうんですが、最初は「肌に優しいから良い」と思い込んでいたんです。でも背景を知り、生産者や環境への配慮こそが本質だと分かったときに、納得感が一段深まってオーガニックコットンのことがますます好きになりました。 象徴的だったのが、2年前にインターンの学生から相談を受けたときのことです。アルバイト先でオーガニックコットンのスウェットがなかなか売れない、と。そこで「オーガニックコットンって何だと思う?」と聞いたら、「肌に優しいんですよね」と返ってきました。まず、残留農薬はヴァージンコットンと比較しても変わらない事実を伝え、それを前提に生産者側の話や環境への配慮の文脈を話して、その価値を伝えてみたらどうかと提案しました。そうすると、次の週にその学生が「たくさん売れました」と報告してくれて。価値を正しく伝えることが、行動につながる手応えがありました。
外崎:伝え方次第で、生活者の反応が変わるんですね。
山下:最近は、生活者、特に若い層が求めるものも変わってきていると思います。環境省のイベントで学生たちの議論を聞いていて印象的だったのは、「サステナブルな選択をポイントプログラムなどの経済的インセンティブに還元されたくない。それよりも心理的なインセンティブが欲しい」という声でした。彼らが欲しいのは、RPGでいう「ゴールド」ではなく「経験値」。つまり、お金やポイントのように消えるものではなく、共感や実感として積み上がっていく価値です。 こうした意識の変化を、どうビジネスに接続するか。そこが今のターニングポイントで、Re-Creationもその接点になれたらと思っています。
江良:マジョリティではないとしても、そういう価値観を持つ人は確実に増えている感じがします。一度背景を知った人は、意味のある選択をしたくなる。だからこそ、伝える場をみんなでつくっていきたいですね。
Re-Creationの認証を、「選ばれる理由」にしていきたい 外崎:Re-Creationはまだ始まったばかりですが、今後の取り組みに対する期待や、一緒にやっていきたいことがあればお聞かせください。
細川:「このマークは何?」と問われる場面もありますが、それは生活者というより、むしろバイヤーや販売に関わる方々からの声です。すぐに共感してくれる方もいれば、あまり関心を示さない方もいますが、そういった声が出てくるだけでも意義があると感じています。 そうした中で、私たちがつくる製品が「ハブ」となって、「自分たちも何かできるかも」と思って参加してくれる企業を増やし、コミュニティの輪を広げていけたらいいなと思っています。Re-Creationは事務局だけでがんばることではなく、参加者全員で育てていく仕組みにしていくべきだと感じています。イベントなども開催できたら面白そうですよね。
江良:いいですね、イベント。最終的には、Re-Creationのロゴに込められた意味や価値が社会に浸透して、「あ、このマーク見たことある」と言ってもらえるようになると理想的ですね。そのためには、ロゴに込められた背景やストーリーに興味を持ってもらえるような場をつくることも重要で、その“旗振り役”としても、Re-Creationには大いに期待しています。
外崎:山下さんは旗振り役として、これからRe-Creationをどのように育てていきたいと考えていますか?
山下:今日のようなお話ができたことを本当にうれしく思っています。Re-Creationを立ち上げた当初は、「当たり前にサステナブルな選択がされる市場をつくりたい」という思いがありました。究極的には、Re-Creationという認証自体が要らなくなるような世界を目指したい、そう思って取り組んでいます。 また、これからは「検索して選ぶ」消費がより一般的になっていくと思います。そのときに、「Re-Creationを取得しているブランドの中から選ぼう」といった行動につながるような、新しい消費のあり方にフィットするものをつくっていきたい。そのためにも、認証取得商品をいつ、どこでも検索・閲覧できるプラットフォームとしての価値も高めていけたらと考えています。
外崎:Re-Creationが「選ばれる理由」になっていくイメージですね。
山下:はい。そして、将来的にはグローバルに通用する認証を目指しています。ファッション業界においては、国際的な信頼性がないと広がりません。だからこそ、Re-Creationは最初から国際基準を見据えて立ち上げました。 実は私自身、総合商社に勤めながら初めて一般社団法人を設立するという経験をしており、収益を目的としない事業体を立ち上げることの難しさも痛感しています。社内の合意を得るまで、何度もプレジデント会議に提案し続けて、ようやく実現できた仕組みです。でも、そうして生まれたRe-Creationという集合体が、今日のようなメンバーとともに少しずつ育っていくことにとてもワクワクしています。
外崎:皆さんの熱量と信念がとても伝わってくるお話でした。今後もRe-Creationという共通のフィールドを通じて、ますますネットワークが広がっていくことを期待しています。