総集編「カンヌ!カンヌ!カンヌ!」⑨(終)
キーパーソン集う好機、「ビジネスの祭典」も熱く
2014/08/08
世界最大規模のクリエーティビティティーの祭典、カンヌ。訪れるのはエージェンシーに限らない。ワールドクライアントやメディア、デジタル企業が各国から集う現在のカンヌは、今や参加企業の4分の1が広告主という「ビジネスの祭典」でもある。「これほど多くの意思決定者に会える機会はめったにない」と、フェスティバルをビジネスチャンスと捉える関係者は語る。
会場の周囲やビーチ沿いのクロワゼット通りは例年、エージェンシーやメディアなど、各社の看板を掲げた特設スペースで埋め尽くされる。クライアントの目を捉えれば、即商談につながる。
とりわけ目立つのが、デジタル企業。サイバー広告の拡大を受けて、大小さまざまな企業が自社の技術を売り込むため、オリジナリティーあふれるブースを設けて潜在顧客の誘引を図る。例えばグーグルは「グーグル・クリエーティブ・サンドボックス」を実施。クリエーティブの筋肉をストレッチしようという早朝ヨガに始まり、同社の幹部や広告業界のそうそうたる面々によるトークセッション、自社技術のデモコーナーなどを参加者全員に開放した。
電通イージス・ネットワークは今年、文字通り砂浜に「ビーチハウス」を展開。一見楽しげな、いかにもコートダジュールらしい響きだが、実際は、多様なステークホルダーとの交流やミーティングなどが行われるビジネスメークの場だ。
広告主の参加が増加傾向にある中、ビジネスチャンスという名の“ライオン”を目指し、カンヌではもう一つの祭典と戦いが繰り広げられている。