
付近に大型の商業施設がないため、ブルーボトルコーヒーエリアは住宅地型の特徴を持ちます。
滞在者の多くが地元江東区民となり、昼間帯は人が流出し夜間帯に戻ってくる構造になっています。

なお、外部来訪者の中には「ブルーボトルコーヒーとは無関係で、仕事などで習慣的に同エリアに来訪している」という人も含まれています。
この人たちを除外するためにオープン前週同曜日とオープン後同曜日の差分をとって、来訪者伸び数というかたちでブルーボトルコーヒー効果を見ていくことにします。
2カ月経過後も強い集客力を保持
ではさっそく、オープン初日2月6日(金)から2カ月後の4月10日(金)までの、毎週金曜日の外部来訪者伸び数の推移を見てみましょう。

Google Trendsで「ブルーボトルコーヒー」を調べた際の人気度推移が上のグラフです。さらに主だったブル−ボトルコーヒー関連露出(テレビ・新聞・雑誌)をプロットしました。
序盤に露出が集中するのはよくある傾向ですが、非常に多くのメディアから継続的に取り上げられている点が特徴的です。これらのメディア露出が発信源となり、ウェブ上でも関連する投稿が数多くポストされていました。
「行列がすごい」「こだわりの一杯」「おしゃれな店内」といったサービスそのものに関する情報に加え、「コーヒー業界のアップル」「スタバと対照的な戦略」「オーナーは日本文化の影響を受けた」など、ビジネス的な側面が記事になっていることも多く、このあたりが息の長い露出につながっている理由だと思われます。
Google Trendsの人気度は“いかに多く検索されたか“という指標になりますが、2月末の検索量がピーク時の3割となっています。その後も露出は続いていますが、オープンから約1カ月で熱狂的なブームは一段落ついたといえそうです。

外部来訪者伸び数とGoogle Trendsを重ねてみますと、Google Trendsのダウントレンドほど外部来訪者伸び数は落ちていないことが確認できます。熱狂的なブームが落ち着くのを待っていた層が、気温の上昇と相まって動き始めたものと思われます。
また2月17日の「ガイアの夜明け」ではブルーボトルコーヒーが20分近く取り上げられ、Twitter上でも数多くつぶやかれていました。2月20日の外部来訪者数が大きく伸びており、効果が大きかったようです。
「わざわざ来訪」から「ついでに来訪」への変化
最大値については減っただけではなく、時間帯が14:00台→12:00台に変化しています。また最小値である閉店間際の18:00台の来訪者が増加しています。遠方からブルーボトルコーヒーを目当てに来訪する「わざわざ来訪」が減り、お昼や帰宅のついでに来訪する「ついでに来訪」が増えているものと思われます。
今回のまとめ
位置情報ビッグデータで見る「ブルーボトルコーヒー」、いかがでしたか?
以下、今回のまとめです。
次回は、外部来訪者の性年齢属性や居住地属性を見ていくことで、集客構造がどのように変化していったかを、より深く見てみたいと思います。
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