Perfumeが! リトルベンが! 浦ちゃんが! 日本CM界の式典、今年も豪華に
2015/11/04
全日本シーエム放送連盟(ACC)は10月28日、赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京で2015 55th ACC CM FESTIVALの贈賞式と記念パーティーを開いた。例年よりも大きな会場で、多数の業界・メディア関係者が来場。タレント陣も駆け付け、一層華やかな式典となった。
会場では、フィルム部門Aカテゴリー(テレビCM)・Bカテゴリー(オンラインフィルム)、ラジオCM部門、マーケティング・エフェクティブネス部門、インタラクティブ部門の作品紹介や各賞の贈賞が行われた。
また各部門のグランプリ受賞作品には、総務大臣政務官・輿水恵一氏から総務大臣賞が贈られた。
受賞一覧はこちら(ACC公式サイト)。
各部門グランプリ受賞作品と審査委員長による講評はこちら(戦争を考えるテレビ局自社広告がグランプリ~2015 ACC CM FESTIVAL受賞作決まる)。
今年は、テレビCM部門を改めフィルム部門とし、テレビCMとオンラインフィルムでカテゴリーを分けて募集したことが特徴。その影響もあって応募総数は昨年よりも331本増の2609本になった。また、ラジオCM部門では、代表制作者が29歳以下であることを条件にした「アンダー29」を新設。インタラクティブ部門には「審査員特別賞」を設置した。
若いCMプランナーを奨励する「小田桐昭賞」は、英進館/中学部「歩く男/戦国武将/卒業式」編を制作した電通九州の村田俊平氏に贈られた。
インタラクティブ部門でグランプリを獲得したアミューズ/ユニバーサルミュージックの「Perfume at SXSW」(電通)への贈賞では、3人組テクノポップユニットPerfume本人も登場。同企画には多くの人が携わったことに触れ「このチームなくして受賞できなかった。これからも力を合わせ見たことのない、やったことのない、新しい刺激的なことに挑戦していきたい」と感謝と抱負を述べた。
またユニバーサルミュージック社長兼最高経営責任者の藤倉尚氏は「彼女たちの次なる目標はアジアやヨーロッパ、アメリカでの活躍。今回SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト、アメリカ・テキサス州オースティン市で開催される音楽、映像、インタラクティブのイベント)でのパフォーマンスを世界に伝えられとてもうれしく思っている」と喜びを語った。
続いて、各グランプリ/総務大臣賞の受賞者代表らもあいさつに立った。
マーケティング・エフェクティブネス部門グランプリのメルセデス・ベンツ日本/GLA「GO!GLA」(HAKUHODO THE DAY/博報堂)からはHAKUHODO THE DAYの佐藤夏生氏が「われわれは車はつくれないが、コミュニケーションの力で少しでも社会の中のパーセプションを変えていく気概をもって仕事に臨んでいる。僕が考えるブランディングは、ドキドキやワクワク。今回の企画で、ブランドにサプライズが付加できたのではないかと思う」と制作者の立場から熱い思いを述べた。
ラジオCM部門グランプリのサントリーホールディングス/サントリービール「Beer-lingual」からは、サントリービジネスエキスパート常務宣伝・デザイン本部長兼宣伝部長の久保田和昌氏が登壇。同作品に対し「海外客が生ビールを注文しやすくしたい気持ちがあったが、そこに大きなアイデアをもらった。当社は日本の夜を楽しくすることで日本の景気を良くしたいと考えてきた。市場を活性化できるアイデアが出てきてうれしい」と社を挙げての喜びを表現した。
フィルム部門Aカテゴリーグランプリの東海テレビ放送/自社キャンペーン「総集編~戦争を考え続ける~」(電通中部支社)では、東海テレビ放送社長の内田優氏が「ささやかな取り組みだが、CMもテレビジャーナリズムの一翼を担っていることが評価され何よりもうれしく思う」と語った。
フィルム部門Bカテゴリーグランプリを受賞したOK Go+Honda/OK GO「I Won’t Let You Down」(もり/ドリル/電通)では、本田技研工業常務執行役員の関口孝氏が同社創業者・本田総一郎氏の言葉「良品に国境なし」を挙げた。「当時は良品とは製品だったが、今やこういったコミュニケーションが国境を越えて、世界から評判をいただく時代になった。良い音楽や映像が製品の領域を越えて、良品のボーダーレスなパワーを感じている」と力強く述べた。
続いてのパーティーではクリエーターズ殿堂に輝いた伊藤アキラ氏、故・椙山(すぎやま)三太氏、故・沼上満雄氏、操上和美氏、故・大西清氏が顕彰され、伊藤アキラ氏が同世代である5人を代表してあいさつ。「自由度がとても高い時代だった。何でもできる、という思いがこの5人の制作を支えてきた。そして周囲にはいつも気持ちが通じ合う仲間がいた。多くの仲間に今日の喜びを伝えたい」と当時を振り返った。
フィルム部門の演技賞を獲得した女優の渡辺えりさん(東京ガス「家族の絆・母とは」編)、子役の寺田心くん(TOTO「NEOREST 菌の親子」編)、俳優の桐谷健太さん(au「あたらしい英雄シリーズ」)も駆けつけた。
渡辺さんは「台本を受け取った時に介護施設にいる母親を思い出して泣いてしまった」と語り、自らの母親と重ね合わせて母親役を演じたと明かした。
心くんはCMの役どころである「リトルベン」の衣装で登場。「僕は菌だよと思って演じました」とかわいらしさで会場を沸かせた。
CMでうらちゃん(浦島太郎)を演じた桐谷さんは、沖縄の楽器、三線が好きなことを生かしてCMの中でも演奏を披露したという。「今後も突拍子もないことをしてくれると思う」と役への期待をあおった。