第70回広告電通賞贈賞式
を開催
2017/07/05
国内で最も歴史のある総合広告賞第70回「広告電通賞」の贈賞式が7月3日、東京・港区のグランドプリンスホテル新高輪で開催され、広告主や媒体社、関係者ら約1000人が出席した。
2年連続で総合広告電通賞に選ばれた大塚製薬をはじめ、広告電通賞など受賞各社に賞状・賞杯が贈られた。
入賞一覧: https://adawards.dentsu.jp/prize/list70/
広告電通賞審議会の今井敬会長は「応募作品には従来の手法のものとともに、最新のデジタルテクノロジーであるAIが広告界でも実用化の段階に入っていると感じさせる作品もあり、今の広告界の縮図が今回の電通賞に凝縮されていたと感じた。広告主や関係者の皆さまには、広告コミュニケーションの可能性を信じ、さまざまな課題に対して、引き続き粘り強い創意工夫やチャレンジを重ねられるよう切にお願いする」と式辞を述べた。
同審議会の大平明理事長は、選考経過・審査について報告。企業風土として広告への深い理解を持つ大塚製薬や、“値上げ”という難しい課題にユニークな手法で取り組んだ、特別賞の赤城乳業などに触れ「8種目の電通賞を8社で、20部門の最優秀賞を17社で分け合う激戦は、取り組むべき課題が細分化する中、広告主がさまざまなチャレンジをしている表れだ」と話した。
大塚製薬の井上眞常務取締役は、今回の受賞対象になったポカリスエット、カロリーメイト、オロナミンCは全てロングセラー商品で、「長い期間に蓄積された資産を見直し、お客さまにとって意味のある存在になることに挑戦できたと思う」と振り返った。特にポカリスエットについては、テレビCMだけではなく、動画サイトや屋外広告などを展開し、反応を見ながら立体的にプロモーションを展開したと述べ、「いいものだから売れる時代ではない。広告制作を通じて人の気持ちを動かす難しさを学んだ。今後も、広告という活動を当社なりに追求していきたい」とあいさつした。
電通の山本敏博社長は「今年の電通賞は、広告に触れて終わりではなく、それにより生活者を揺さぶる作品が多く選ばれたと感じている。一方の潮流として、テクノロジーの進歩に対する不可欠な要素としての人間主義があると思う。不確実な時代だからこそ“未来を作るのは、今を生きる人間でなければならない”という機運が顕在化してきているではないか。その代表例が大塚製薬の『自分は、きっと想像以上だ。』のコピーがあるテレビシリーズ広告だと思う」と話し「広告電通賞が今後とも魅力ある賞としてあり続けられよう、より一層の研さんと進化を重ねていく」と結んだ。