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未来の通貨はどうなる?
『金融破壊者たちの野望』が発売

2018/08/27

    電通の「金融プロジェクト※」が調査データを提供した『金融破壊者たちの野望』(発行:東洋経済新報社、著:佐藤元則、調査データ提供:鍋島浩、吉富才了)が、7月26日に発行された。

    ※1998年に金融機関に対するマーケティングと事業戦略支援を目的に設立し、20年にわたり市場の変遷と生活者の意識・行動の変化を調査。年間100社を超える金融クライアントに対して新たなソリューションを提供し続けている。

     

    表紙
    四六判並製、216ページ、1400円+税、ISBN 978-4-492-96152-0

    中国では、スマホで支払いができるので財布を持たない人が増えている。ゆくゆくは顏認証で決済でき、スマホさえ持つ必要がなくなるかもしれない。そんなキャッシュレス化へ向かう経済に注目したのが本書だ。

    世界で急速に進むキャッシュレス化の背景にあるのは「アマゾン」や「アリババ」といった巨大企業である。本書は2社がいかにして独自の経済圏を拡大しているのかを解説、さらに、今後世界はどこへ向かい、日本企業はどのように対応していくべきかという考察までを述べていく。

    著者はアマゾンやアリババを「金融破壊者」と呼ぶ。その理由は、独自の決済システムであるアマゾンの“1クリック決済”や、アリババのスマホで簡単に決済できる“アリペイ”を採用することで、大手金融機関を不要にしつつあるからだ。

    アマゾンもアリババもインターネットでさまざまな商品やサービスを提供しているが、特定の企業が中核となって経済圏を形成することができれば、決済システムだけでなく、その中だけで使用できる独自通貨の発行が可能になる。

    カードや銀行ネットワークと連携させる必要もない。国境をまたいだ本格的なバーチャル通貨が誕生することで、完全キャッシュレス化が実現するのだ。

    このようなキャッシュレス化への動きや時代をけん引する企業のシステムが分かりやすく紹介されており、変化のスピードが早い現代社会を把握する指南書となる一冊。