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第72回「広告電通賞」贈賞式
2社の総合賞受賞は初

2019/07/02

    第72回「広告電通賞」の贈賞式が7月1日、東京・港区のグランドプリンスホテル新高輪で開催され、広告主や媒体社、関係者らが出席した。
    同賞は、1947年に創設された日本で最も歴史のある総合広告賞。

    総合賞(旧総合広告電通賞)のパナソニックと福島民報社はじめ、最高賞(旧広告電通賞)など受賞各社に賞状・賞杯が贈られた。パナソニックは32回目、福島民報社は初の受賞で、総合賞に複数社が選定されたのは、同賞史上初となる。
    入賞一覧:
    https://adawards.dentsu.jp/assets/daaDownload/daa72/72list_190624.pdf

    同賞審議会の今井敬会長は「今回も、広告コミュニケーションの豊かな発展を実感させる作品が数多く見受けられた。近年の広告では、消費活性化や企業活動の周知にとどまらず、社会問題への取り組みが大きな課題となっている。皆さまには、より良い社会へ向けての力強いけん引役として、さらなる研さんを期待する」とあいさつした。
    大平明理事長は、選考経過・審査について、選考委員会が審査した作品は1424点に上り、5月の最終選考で、入賞全57点が決定したと報告。「パナソニックは創立100周年の記念すべき作品が授賞され、福島民報社は初受賞であるとともに、媒体社としても初の受賞となった。両社の作品は社会課題に正面から向き合った素晴らしい作品だ」と称賛した。また、特別賞の日本フィルハーモニー交響楽団の企画は、最新のテクノロジーで、聴覚障がい者にもコンサートに参加してもらうという内容で大きな話題となった、と紹介した。

    中左:パナソニック・津賀社長  中右:福島民報社・高橋社長

    パナソニックの津賀一宏社長は、野鳥のさえずりで“聴きとる力”をチェックする新習慣で難聴を早期に発見し、補聴器の使用を啓発する動画(デジタルコミュニケーション最高賞)などの受賞作について解説し、「社会の課題や変化に向き合いながら、お客さまに寄り添う姿を示す広告として、当社らしさを表現できたと思う。広告電通賞は宣伝目的以上に、各企業がより良い商品・サービスでいかに社会に貢献するかを問うものだと感じる」と述べた。
    福島民報社の高橋雅行社長は、作年8月の「県民の日」に発行した特別紙面を折り畳んで郵送できる企業広告(アクティベーション・プランニング最高賞他受賞)について「震災や原発事故などで県外で暮らす人に、ふるさとの香りを届けるために、地元新聞社の使命として考えた企画だった。シンプルな仕組みながら、県内外から大きな反響があった。広告の力を生かすことで、必ず活力のある日本、地方になると確信する」と語り、郵便を受け取った人の喜びや感動の声を紹介した。

    電通の山本敏博社長は「歴史ある2社の総合賞受賞は、広告の力や意義は不変的なものであり、広告の持つ意味は拡張を続けるものだ、と改めて感じた。広告手法が日々進化する中、広告に携わる一人として、広告主や生活者に本当の意味で役立つよう、常に自らを変革し続けなくてはならないと決意を新たにした。そして、広告電通賞が魅力ある賞としてあり続けるため、より一層の研さんを重ねたい」とあいさつした。