ゴールデン・スポーツイヤーズNo.6
多くの人が真剣に競うことで
スポーツ産業は進化する
2019/09/30
多くの大人たちが真剣に"競う"からこそ
「見る」「支える」を通じて
スポーツ産業全体に波及
2021年に関西で行われるワールドマスターズゲームズ(WMG)。この大会は日本の「生涯スポーツ」にどんな影響をもたらすのか、同大会レガシー創出委員会委員長の長ヶ原誠氏に聞きました。
世界的にも盛り上がり
第3の生涯スポーツへ
マスターズ競技というと、日本では「高齢者」や好記録を出す「エリート」がイメージされます。しかし本質はそれだけでなく、成人中高年なら誰でも参加できるもの。2021年は、こうしたイメージの偏りを変えるチャンスでしょう。生涯スポーツは、フィットネスなどの「ヘルススポーツ」、観光要素を持つ「スポーツツーリズム」が代表格でしたが、「マスターズ」が三つ目として発展する契機となります。
マスターズの特徴は、真剣に“競う”こと。日本の競うスポーツはほぼ学生で終わりますが、以降もやりたい人は多い。それを証明したのがマラソンブームです。イベントと参加者は増え、皆、記録を狙います。このニーズは他競技にもあるでしょう。
世界的にもマスターズ競技は盛り上がっています。10年より冬季WMGがスタートし、欧州やアジアなどの地域大会も登場。種目数もここ10年で約200ほど増えています。
OBや職場でチームを組む
参加イメージの発信を
21年以降、マスターズ競技が定着するには、人々の参加のイメージを見せることです。学生の同窓会、フィットネスクラブのメンバー、職場の組織でチームを組めば簡単に出られます。OB・OGもよいでしょう。高齢化の中でOB・OGは間違いなく拡大する領域。ゼロからメンバーを集めなくても「容易に出られるんだ」と思っていただく。「Team Do Sports」というサイトを立ち上げたのも、それが狙いです。
マスターズ競技は、真剣に競う分「試合を見て研究する」「道具を買う」など、“見る”“支える”ことでスポーツ産業全体に波及します。もちろん、プロやユース競技にも好影響を与えるはず。それも21年以降のレガシーでしょう。