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釜石が見据える、社会的な意義としてのW杯

ゴールデン・スポーツイヤーズNo.4

2019/09/25

釜石が見据える、社会的な意義としてのW杯


スタジアムを「人と人をつなぐ場にしていきたい」
釜石が見据える、社会的な意義としてのW杯

開催12都市の中でも、岩手県・釡石市は東日本大震災からの復興のシンボルとして準備を進めてきました。岩手県ラグビーワールドカップ2019推進室の木村久室長に手応えと期待を聞きました。

木村久氏(岩手県ワールドカップ2019推進室 室長)


地元高校生による自発的ボランティア

釜石鵜住居復興スタジアムは、被災した小・中学校の跡地に新設しました。被害が大きく、復興途上でのラグビーW杯の開催についてはさまざまな議論がありましたが、今回の開催が復興を後押しし、世界中に感謝を示す場になればと思っています。

その中でうれしいのは、すでに若い方たちが自発的な活動をされていることです。昨年、スタジアムのこけら落としイベントで「スタジアムキックオフ宣言」をした洞口留伊さん(釜石高校3年)は、今年、7月27日に釜石で行われた日本対フィジー戦の際、仲間と共に「釜石7.27高校生感謝プロジェクト」を立ち上げ、高校生のメッセージ動画をSNSで発信し、さらにスタジアムまでのアクセス方法を紹介する動画もユーチューブで公開しました。

また、釜石のW杯試合日は帰りの渋滞などを考慮し、釜石市内と大槌町の高校は休みとなります。高校生は公式ボランティアとしては活動できないのですが、数百人規模で釜石駅から市内のファンゾーンまでの案内や通訳などの活動を行う予定と聞いています。なお、復興支援の感謝を伝えるため、釜石市内の小中学生および沿岸の小学6年生を大会に招待します。

2018年のスタジアムオープニングイベントで宣言する洞口留伊さん。W杯本番時も、独自の活動を企画しているという
2018年のスタジアムオープニングイベントで宣言する洞口留伊さん。W杯本番時も、独自の活動を企画しているという
 





 

「いつかは釜石へ行きたい」
思いを込めたガイドブック

さらに、スタジアムでの子どもたちの国際交流も進めます。昨年、ニュージーランドの高校生を招き、ラグビーを通じた県内の高校生との交流や、防災教育の学び合いも行いました。今年9月にも実施予定で、今後も続けていきたいプログラムです。

洞口さんは、このスタジアムを「震災で離れ離れになった人が集まる場」だと話していました。W杯やスタジアムが人をつなぎ、人が人を呼ぶ場所になればと思います。

同様に、交流人口を増やすことも大切と考えています。今回、大会に向けた「ラグビー応援ガイドブック」を作製しました。1冊のうち、半分は日本語版、もう半分は英語版の構成で、当初3万部作製し、その後7万部増刷。全国に配架します。冊子には、大会情報や釜石の名所と共に、岩手県や東北のおすすめスポットも掲載しています。この大イベントを釜石だけでなく、岩手県そして東北にも効果を出したいからです。東京2020大会も東北で競技が行われますし、今回来られなくても世界中の方々に「一生のうちにぜひ釜石へ、東北へ行きたい」と思っていただきたいですね。

ラグビーワールドカップ2019釡石開催実行委員会が発行した「ラグビー応援ガイドブック」。日本語版は32㌻、反対面の英語版は29㌻。ラグビー情報だけでなく、釡石・岩手・東北の情報を丁寧に紹介している
ラグビーワールドカップ2019釡石開催実行委員会が発行した「ラグビー応援ガイドブック」。日本語版は32㌻、反対面の英語版は29㌻。ラグビー情報だけでなく、釡石・岩手・東北の情報を丁寧に紹介している

3万3000人の釜石市で
交流人口の起爆剤に

7月27日の代表戦でも約1万3000人が来場されました。人口3万3000人の市にこれだけの人が来たインパクトは強く、街中のお店でもインバウンド対応が進んでいます。

また、釜石の名産「甲子柿」の商品開発を行う方々は「W杯をお披露目の場として、世界に売っていきたい」と意気込んでいます。
3万3000人の釜石が、どれだけ大きな交流人口を生み出せるか。W杯を契機とした交流と新設したスタジアムを大きな起爆剤にしたいですね。釜石開催には、世界的なスポーツイベントの開催だけでなく、復興のシンボルという社会的な意義があり、そうした使命をかみ締めて大会に臨みます。

釡石鵜住居復興スタジアム。2018年8月完成。常設6000席だがW杯では1万席を追加し1万6000席となる。9月25日のフィジー対ウルグアイ、10月13日のナミビア対カナダの2試合を実施する
釡石鵜住居復興スタジアム。2018年8月完成。常設6000席だがW杯では1万席を追加し1万6000席となる。9月25日のフィジー対ウルグアイ、10月13日のナミビア対カナダの2試合を実施する

ラグビーワールドカップ2019開幕直前! ミニ情報

開催日程は9月20日~11月2日。北は北海道から南は九州まで、全国12都市で世界各地から集まった20チームによる激闘が繰り広げられる。東京スタジアムでの日本対ロシア戦で幕を開け、決勝戦は横浜国際総合競技場で実施。アジアで初めて開催されるラグビーワールドカップとしても注目されている。

全国12都市の試合日程
札幌市 札幌ドーム:9月21・22日
岩手県・釡石市 釡石鵜住居復興スタジアム 9月25日、10月13日
埼玉県・熊谷市 熊谷ラグビー場 :9月24・29日、10月9日
東京都 東京スタジアム :9月20・21・29日、10月5・6・19・20日、11月1日
神奈川県・横浜市 横浜国際総合競技場 :9月21・22日、10月12・13・26・27日、11月2日
静岡県 小笠山総合運動公園エコパスタジアム :9月28日、10月4・9・11日
愛知県・豊田市 豊田スタジアム :9月23・28日、10月5・12日
大阪府・東大阪市 東大阪市花園ラグビー場 :9月22・28日、10月3・13日
神戸市 神戸市御崎公園球技場 :9月26・30日、10月3・8日
福岡県・福岡市 東平尾公園博多の森球技場 :9月26日、10月2・12日
熊本県・熊本市 熊本県民総合運動公園陸上競技場 :10月6・13日
大分県 大分スポーツ公園総合競技場 :10月2・5・9・19・20日

詳しい試合日程は、こちら