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公開日: 2023/11/21

人事は今が変革期。トータルHRソリューション「HUMAnalytics」がかなえる“攻めの人事”(前編)

株式会社電通国際情報サービス(以下、ISID)、株式会社電通デジタルイグニション・ポイント株式会社は、経営戦略と人事戦略をつなぎ、企業の人的資本経営を支援するトータルHR(データドリブン人事)ソリューション「HUMAnalytics(ヒューマナリティクス)」を提供しています。このソリューションは、人事システム基盤、コンサルティング、データ分析の全てを包括しており、人事部門の課題に一気通貫で対応することができます。

なぜ今、三位一体のトータルHRソリューションが求められているのでしょうか。プロジェクトに携わったISIDの二ノ宮雄将氏、電通デジタルの山田健氏、イグニション・ポイントの福井雄貴氏にインタビューを実施。前編では、「HUMAnalytics」の開発経緯や、その独自性について話を聞いていきます。

データドリブン人事への変革を目指し、PDCAをしっかり回す

Q.「HUMAnalytics」は、ISID、電通デジタル、イグニション・ポイントの3社が提供するトータルHRソリューションとのことですが、どのような課題から「HUMAnalytics」の開発に至ったのでしょうか。

二ノ宮:私はISIDに入社後、業務効率化を図る基幹人事システム「POSITIVE」を担当し、2023年からは新サービスの企画も兼務していました。ですが、「POSITIVE」のご提供を行う中で、クライアント企業さまのマネジメント層は従来型のオペレーショナルな人事よりも、もっと経営と一体となった人事戦略の推進や、データドリブンで実現する人事に関心があるように感じていました。そこで、「POSITIVE」をベースとしたシステム開発とプロジェクト全体統括をISIDが、データアナリティクスを電通デジタルが、人事課題の抽出・戦略策定をイグニション・ポイントが担い、3社で新たなソリューションを開発することになりました。

株式会社電通国際情報サービス 二ノ宮 雄将氏

Q.「HUMAnalytics」は、既存の基幹人事システムとどのような点が違うのでしょうか。

山田:ISIDが開発した統合HCMソリューション「POSITIVE」は、人事・給与・就業管理やワークフローに加え、タレントマネジメントの管理ができる基幹人事システムです。既に2,700社を超える企業に導入され、非常に有用なシステムとして広く活用されています。

一方、昨今ではHR(人的資源)データを用いて人事業務をより高度化しようという動きが高まっています。AIやデータドリブンなビジネスへの変革が加速する中、より高度な意思決定、最適化された人事のためにデータを活用する。そんな新たなフェーズに差し掛かっているのです。こうした背景を受け、「POSITIVE」やその他人事システムに格納されたHRデータを活用し、もう一歩先の提案を行うのが「HUMAnalytics」です。

最近は、タレントマネジメントツールなど、一部の機能に特化したツールの普及も進んでいます。ただ、こうしたツールは特化している分、限られた領域を対象としている印象です。その点、「HUMAnalytics」は、戦略・基盤・データ分析をメニューとして備えており、人事部門の課題に一気通貫で対応できるのが特徴です。

株式会社電通デジタル 山田 健氏

Q.「HUMAnalytics」は、戦略型コンサル、データビジュアライゼーション、データアナリティクス、伴走型コンサルという4つのサイクルを回していくのが特徴だとうたっています。それこそが、このソリューションの大きな強みということでしょうか。

山田:そうですね。人事データを活用し、PDCAをしっかり回せる点が特徴です。従来の人事システムでは、このサイクルが分断されていました。例えば「タレントマネジメントを高度化したい」という場合、人事評価システムなどを導入することは可能です。しかし、そこからデータをどのように検証し、どうやって施策に落とし込むかは、あらためて自社で検討したり、コンサルティング企業に依頼したりする必要があったのです。また、人事データを収集・可視化できても、分析を深めていくためには、外部のデータベンダーの力を借りることが必要になります。人事領域においては、さまざまなプレーヤーの得意分野が細分化されているため、人事部門は複数のプレーヤーと向き合わなければなりませんでした。

山田:そこで「HUMAnalytics」では、4つのサイクルをひとつながりにしました。基幹人事システムとして実績のある「POSITIVE」やその他人事システムに格納された人事データを収集・可視化し、人事課題と照らし合わせてデータプラットフォームを作る。そして、電通デジタルが得意とするデータ分析を行う。さらに、イグニション・ポイントがクライアント企業さまの人事課題について目標やKPIを設定し、どのような手を打つか戦略を立てる。この3社が協働したことで、4つのサイクルを実現できたのです。

人事部門の高度化に対応できる人材育成もサポート

Q.「POSITIVE」をベースとした人事システム基盤をISID、データ分析は電通デジタル、人事戦略の課題抽出やロードマップ策定はイグニション・ポイントが担っているわけですね。このソリューションにおいて、イグニション・ポイントのコンサルティング力はどのように発揮されているのでしょう。

福井:人事課題のコンサルティングでは、データ活用の“前”と“後”に課題があるというのが共通認識です。何のために、何をゴールとして人事データを活用するのか。そして、データの分析結果をどのようにして人事施策や実行できる仕組みに落とし込んでいくか。今、多くの企業では採用時の適性検査の結果に基づき、新卒社員を何パターンかのペルソナに分類したり、ハイパフォーマーを分析したりしています。ですが、表に出ている成功事例の裏には、データ分析したもののそこで終わっているケースもたくさんあります。

そのため、「HUMAnalytics」では、何のために人事データを活用するのか、人事部門の何を高度化したいのかという課題を見つけるところから、データの分析結果に基づく施策の提案・実行・改善までサポートします。このように、今まで手が届き切っていなかった領域までカバーするのが、イグニション・ポイントの役割です。

さらに、こうしたソリューションでは、データ分析や人事施策の提案・実行ができる人材を育てることも重要なので、人材育成のサポートにも対応しています。

イグニション・ポイント株式会社 福井 雄貴氏

 


 

プラットフォームをベースにプロジェクト全体を統括するISID、データ分析を得意とする電通デジタル、コンサルティング業務に長けたイグニション・ポイントと、3社がそれぞれの強みを発揮することで生まれたトータルHRソリューション「HUMAnalytics」。インタビュー前編では、その独自性が分かってきました。後編では、人事部門が抱える課題、「攻めの人事」に必要な人材や考え方などについてさらに掘り下げていきます。

※掲載されている情報は公開時のものです

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著者

二ノ宮 雄将

二ノ宮 雄将

株式会社電通国際情報サービス

約7年人事基幹システムの導入に従事後、2013年株式会社電通国際情報サービスに入社。入社後は、営業、アライアンス、市場開発を経験し、今回、トータルHRソリューション「HUMAnalytics」のプロデューサーを務めた。

山田 健

山田 健

株式会社 電通デジタル

電通入社後、クリエイティブ部門を経て2017年よりグループ経営業務に従事。2019年よりAI開発とデータ分析をコアドメインとしたグループ企業、データアーティスト株式会社に取締役として出向。現職では、クリエイティブ×AIのシナジー創出、生成AIプロダクト開発、クライアントにおける生成AIの導入支援を担う。Cannes Lions、Adfest、朝日広告賞、他 国内外受賞多数。中小企業診断士。

福井 雄貴

福井 雄貴

イグニション・ポイント株式会社

国内金融系シンクタンク・コンサルティングファームなどを経て現職。イグニション・ポイントでは、採用ブランディング構築、人事データの活用支援、人事戦略策定など、HR領域の幅広いテーマに関するご支援を提供。

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