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連載アイコンThe BUDDIES [3/3]
公開日: 2026/10/01

投資に、ファン作りを持ち込め。金融 × コミュニティで常識を覆すファンズの戦略

藤田 雄一郎

藤田 雄一郎

ファンズ株式会社

高井 嘉朗

高井 嘉朗

株式会社 電通

社会のペインやニーズをつかみとり、ビジネス化し、スケールアップさせることで飛躍的な成長を遂げるスタートアップ企業。
スタートアップでは、一般的に短期間で急成長が求められるため、ビジネスの資源となる「ヒト」「モノ」「カネ」を、最短で確保する必要がある。
そのため、内部はもちろん、外部リソースもフル稼働させながら、事業を推進させなければならない。そして、時には、他社からの出向社員の知見や経験が、成長を支えるケースもある。

そんな、いわば”伴走者”として、スタートアップに出向して籍を置き、事業にコミットする電通社員に注目する連載「The BUDDIES」。
第3回は、2016年設立のスタートアップ企業で、「固定利回り」の投資プラットフォームが注目を集める「ファンズ」に出向していた電通社員にフォーカス。
成長のカギとなる新施策を打ち出し、その実装を担い、さらには出向を終えてもなおファンズに尽くす伴走者の原動力とは?

※この記事はNewsPicks Studiosのスポンサード記事からの転載です。

やれることは全部やろうとしてくれる伴走者

ファンズが設立されたのは、2016年。創業時は、クラウドポートという社名だった。
同社が提供するのが、お金を運用して増やしたい個人と、資金調達をしたい企業をマッチングするプラットフォーム「Funds(※)」だ。

個人投資家は、上場企業を中心とした企業にお金を貸し出し、金利を受け取る。
一方、企業は、個人投資家からお金を借り入れ、事業資金に充てる。
その接点となるのが、案件ごとに立ち上げられるファンドで、ファンドの公開や募集はFunds上で行われる。

※企業はFundsを通じて個人から間接的に資金を借り入れることができます。
※将来の運用成果等を保証するものではありません。運用結果次第では分配遅延や元本毀損の可能性があります。


ファンズ創業者の藤田雄一郎 代表取締役CEO
は、こう明かす。

「投資をするからにはお金が増えることが何より大事ですが、お金を預けるだけでなく、先にある企業の営みや挑戦に“ファン”として関われる感覚を大切にしているのが、Fundsの特徴です」(藤田氏)

2019年1月のサービス開始から約6年で、立ち上がったファンドは500本を超え、個人投資家からの累計投資額は2025年10月に1000億円を突破。
あわせて、元本割れや分配遅延は一切発生せず、「ゼロ」を記録し続けている(2025年12月現在)。

「われわれは、世の中のさまざまなお金の不安を解消することを目指し、『未来の不安に、まだない答えを。』をミッションに掲げています。
そこに向けたビジョンが、『国民的な資産運用サービスを作る』です。多くの人が、当たり前に安心感を持って運用できる、新しい選択肢を作ることを目指しています」(藤田氏)

そのミッションとビジョンの実現を共に担うのが、電通・高井嘉朗氏だ。

高井氏がファンズに出向したのは、2020年から2年間。
その期間において、人材や企業など高井氏が持つアセットをファンズにフルで提供し、社内の取り組みなども率先して盛り上げる存在だったという。
そして、2022年に出向期間を終えたが、今もファンズの良きパートナーとして関係を続けている。

「高井さんは『for ファンズ』の姿勢がすごく強くて、できることは本当に何でもやってくれる。
特に、新しいサービスを世の中に伝えるにあたり、どんな表現で、どんなルートで多くの人に知ってもらうかという課題解決に尽力していただきました」(藤田氏)

新施策を打ち出しアクセラレーションプログラムで優勝

というのも、創業当時ファンズには立ちはだかる壁があった。

「Fundsは、お金を投資したい個人と、資金調達をしたい企業の両方を集める必要がある“ツーサイドプラットフォーム”です。
当初は特に、ファンドを組成する企業を募るのに大変苦労しました。
というのも、対象となるのは基本的に上場企業なので、銀行から低金利でお金を借りられる企業が多く、Fundsでお金を借りるハードルが高かったのです。
そこを打開するために頼ったのが、電通でした」(藤田氏)

そうした状況の中で生まれたのが、フィンコミュニティマーケティング(FinCommunity Marketing)という、新たなソリューションだ。

Fundsを通して借り入れを行った企業は、個人投資家に利回りをつけて元本を戻すだけでなく、商品やサービス、割引・クーポンに加え、一般販売前の商品・サービスなどを、優待として提供するものだ。

「お金の貸付を通して、投資家は利回り+αの価値を得られ、さらに企業のファンになる。企業は資金調達に加え、個人投資家に向けたマーケティングを行える。
つまり、Fundsは投資を介して個人投資家と企業のコミュニティが醸成されるソリューションである、という点を打ち出したのです」(高井氏)

この施策によって高井氏は、2019年に電通のアクセラレーションプログラムで優勝し、ファンズに出向する決め手となった。

「ソリューション案をただお渡しするのではなく、実装まで責任を持ってお手伝いしたいと考え、電通を出てファンズに席を置かせていただくことになりました」(高井氏)

出向後、高井氏はフィンコミュニティマーケティングの実行をはじめとする中核業務に携わり、ファンズの成長に伴走した。
その“伴走者ぶり”について、ある社員はこう語る。

「販促やイベント等のマーケティング・プロモーションに関しては、本当に百戦錬磨。
たとえばアンケートでは設問をこうするとこんな意向が取れるとか、クライアントへの報告など、細かいところまで知見をお持ちでかなり助けられました」

また、大手企業へのアプローチ力にも目を見張るものがあったという。
金融商品を取り扱う以上、社会からの信用と信頼が何より重要となる。
その点では、大きな企業にご利用いただいた事例が非常に説得力を持つものの、ファンズだけの独力で開拓するのは難しい。
そういった、ベンチマークとなるファンド組成の橋渡しも、高井氏が積極的に携わって生まれていった。

出向を終えた後も、事業共創を展開

「自分にとって、ファンズに出向させていただいたことが、貴重な財産となっています。
一緒に未来を創っていく大変さと、ワクワク感を直に体感できることがうれしかった。
何より、スタートアップ企業と一緒に頭を悩ませながら実行する経験を通して、多様な視点と高い視座をいただけました」(高井氏)


一方の藤田氏は、高井氏の働きをこう振り返る。

「私たちだけでは到達できない視点をもたらしてくれる方が、社内に常にいること。そして、伴走してもらえることが、とてもありがたかったです。
スタートアップは、ヒト、モノ、カネはもちろん、信用や信頼など、全てが足りません。
足りない部分を、高井さんはすべて埋めてくれた。それがあったからこそ、今のファンズの成長があります」(藤田氏)

高井氏が出向を終えた今も、ファンズのパートナーとして、さまざまな形でサポートしている。
その一つが、ファンズとともに、企業IRを分かりやすく解説する動画番組の立ち上げだ。

高井氏は現在兼務で、経済動画コンテンツの企画・プロデュースをするNewsPicks Studios(ユーザベースと電通との合弁会社)のCOOとしても業務を取り仕切っている。
そのなかで、冗長で理解しづらい企業の「IR情報」を、わかりやすく伝える経済情報番組「ONE IR」を、ファンズのメンバーとともに生み出した。

高井氏がファンズとの番組制作を始めたのは、ファンズならではの強みを生かせると考えたからだ。

「ファンズは個人投資家の方々とのやりとりを通して、個人投資家のインサイトを捉えています。ファンズ内には証券会社出身の方々もいて、非常にプロフェッショナルな視点をお持ちです。
そこに、NewsPicks Studiosのコンテンツ力が掛け合わさることで、ビジネスパーソンに有用で、観たくなる番組を作れるはずだと」(高井氏)

この背景にあるのが、企業の個人投資家に対するコミュニケーション課題だ。
数多くの企業が、個人投資家とのリレーション作りの重要性を認識しているものの、実際の施策は株主優待など限られた取り組みにとどまっているのが現状。

「その課題を改善するのに、Fundsはうってつけのプラットフォームです。
そして、『ONE IR』で企業の情報を、個人投資家にわかりやすく観ていただけたら、まさに一石二鳥です」(高井氏)

名前よりもプロジェクトを世に残す

また、ファンズで培った経験から、電通で仲間とともに自ら立ち上げた組織「Startup Growth Partners」を通しての、スタートアップ支援も推進。
マーケティング領域を中心に、事業開発・アライアンス、人材・組織開発、ファイナンスなど幅広い支援を行っている。
その取り組みの一つとして、電通社員がスタートアップに出向し、出向先でのミッションを遂行しながら、その成長を後押しする支援も行っている。

さらに帰任後は、電通の国内アセットを最大限に生かし、大手企業とスタートアップの連携によるイノベーションを推進し、スタートアップにも大手企業にも貢献していく。
まさに高井氏がたどったサイクルであり、目指すのはそのサイクルをどんどん生み出し、加速させることだ。

「私が仕事に取り組む際には、プロジェクトが世に残り、人々に感動を与え、社会が少しでも豊かにすることを意識しています。
自分の名前が出る必要はなく、陰で支える『黒子の美学』を大切にしたい。
未来を創る起業家の皆さんに最大限の敬意を払いながら、彼らが描くワクワクする未来が、より魅力的に、そして社会にとってより良いものとなるよう、実現に向けて寄り添うこと。それが私の仕事です」(高井氏)

黒子としてプロジェクトを世に残し、スタートアップの未来を創る。それが、高井氏の美学なのだ。


本記事は、金融商品勧誘目的のものではありません。

<ファンズ株式会社とFundsについて>
ファンズ株式会社 第二種金融商品取引業 関東財務局長(金商)第3103号一般社団法人第二種金融商品取引業協会 加入

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執筆:田嶋章博
デザイン:田中貴美恵
編集:海達亮弥
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著者

藤田 雄一郎

藤田 雄一郎

ファンズ株式会社

代表取締役

早稲田大学商学部卒業後、サイバーエージェントに入社。2007年にマーケティング支援事業を行う企業を創業し、2012年上場企業に売却。2013年に大手ソーシャルレンディングサービスの立ち上げに経営メンバーとして参画。2016年11月にクラウドポート(現ファンズ)を創業。IVS Summer 2019 LaunchPad グランプリなど多数受賞。
高井 嘉朗

高井 嘉朗

株式会社 電通

Startup Growth Partners ビジネスクリエイション部長

メディア・マーケティング・ビジネスプロデュースを経て、スタートアップ「ファンズ」をアクセラレーションプログラム優勝に導き出向。 その後、スタートアップ専門組織Startup Growth Partnersを仲間とともに立ち上げ、帰任。現在は国内電通グループアセットを活用したスタートアップの企業価値向上支援、SGPファンドによる投資×グロース一体型支援、大手企業との共創支援に従事。兼務でユーザベースと電通のJVであるNewsPicks StudiosのCOOとして経営支援も担い、事業成長を牽引。

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