発見! 「スベらない」売り方!
2014/12/08
通販王国、九州へようこそ!
私たちがこだわる、「売る」広告。
今回は、その核となる「伝え方」について考察します。
■「買いたい」と思った人が、必ず言う感想とは
皆さんは、広告を見たお客さまに、どのような感想を言ってもらいたいですか?「印象に残った」「面白かった」「いい商品だと思った」などなど、いろいろな答えがあると思いますが、私たちが一番うれしい答えは「分かりやすかった」なんです。なぜなら、「買いたい」と思った人が必ず言う感想こそが、「分かりやすかった」だから。
「印象に残った」とか「いい商品だと思った」といった感想は、あくまで広告表現に対する評価。言ってみれば、目の前にある広告が主役であり、お客さまはスタンドから見ながら感想を言っている「観客」状態です。それに対して、「分かりやすかった」という感想はちょっと違います。この言葉は、お客さまが広告の情報を受け入れて、自身の感覚とすり合わせない限り出てきません。つまり、きちんと「自分ごと化」され、そして内容にしっかりと納得してもらえた証が、「分かりやすかった」という感想なのです。だからこそ私たちは売るために、「分かりやすかった」を目指しているのです。
■「分かりやすかった」を生む2つのルール
心の底からの納得の声「分かりやすかった」を生むための基本的な構図が、これまでにお話ししてきた下記のモデル。中でも重要なのが、このモデル特有の「D」と「B」の部分。
お客さまの心のコップにドバドバと情報を注ぎ続けるには、さながらビールを注ぐ時にグラスを傾けてもらうように、注ぎやすい態勢をとってもらう必要があります。この「注ぎやすい態勢」に当たるのが、先述した「自分ごと化」です。
どうすれば広告を見ている観客に、「自分ごと」と捉えてもらえるのか。基本的には、訴求内容や広告のストーリーが重要となります。ただ、それらを伝える際に絶対に押さえるべき、非常に大切な2つのルールがあることが分かりました。それをこれから紹介していきましょう。
<ルール①> 「知っている話」で話すこと。
広告する商品ってほとんどの場合、お客さまがまだ知らない商品。だから、見ている人に対して、商品の特徴や新たな情報を知らせようとついつい頑張ってしまいます。ですが、これこそが「自分ごと化」を妨げる典型的な失敗例!
そもそも消費者は広告を見たいとは思っていませんし、広告に集中していない。そんなうわの空の人に、「知らない話」や「考えないと分からない話」をしても、興味を持ってもらえるはずがありません。しかもお客さまは、「分からなければ見るのをやめる」という切り札だって持っています。
ではどうすれば、お客さまに「知らない」商品のことを伝え、「買いたい」という気持ちを持ってもらうことができるのか。そのために有効な方法が、「知っている話で組み立てる話術」。つまり、お客さまが知っている情報を使って、知らない情報を伝えるのです。簡単な例を挙げます。
私の表現力のせいで、悪い例もそれなりに食べてみたい感が出てしまっているかもしれませんが…。「良い例」の方は、知っている味を用いて知らない味を想像させていることが理解いただけるのではないでしょうか。これを今日から私は「アクアパッツァ理論」と呼ぶことにしました。
私が通販の広告を作り始めたばかりのころに良く指導されていたのが、「中学2年生が分かる文章にしろ」ということでした。これも本質的には同じことだと思います。大切なのは、「すでに知っている分かりやすい話」を組み合わせて、興味を引く話題をつくり出していくこと。そうすることで、情報を「自分ごと」として捉えてもらえる可能性が、格段に高まるのです。
<ルール②>「すべて“YES”で答えられる話」にすること。
人は、「YES」を積み重ねることで、その通りの行動をしようとする意識が生まれる、これを心理学では、「YES効果」と呼ぶそうです。
接客されている時を思い浮かべてみてください。自分が「似合う」と思っているときに店員さんからも「似合う」と言われると買いたくなりますし、逆に、自分は「似合わない」と思っているのに「似合う」と言われると、疑いの気持ちとかが芽生えて買う気が失せてしまいます。
つまり、買いたい気持ちを生むには、常にお客さまの心理と同調することが不可欠ですし、同調していることを確認しながら話を進めていくこともまた必要。だからこそ広告においては、肯定の情報、すなわちお客さまが「YES」で答えられる話でストーリーが組み立てられることが重要なわけです。
通販の広告を見てみると、「思いませんか?」とか「いかがですか?」といった問いかけやチェックリストなど、随所にYESを誘発させ、同調を作り出すための仕掛けが満載です。これらはまさに、「YES効果」の重要性の裏付けと言えるでしょう。
■表現するのではなく、相手の心の中に「組み立てる」感覚
以上が、広告を見た人に「分かりやすかった」と思ってもらうために心がけたい2つのポイントでした。根本的には、とにかく見る人の立場になって、見る人の目線・感覚で表現を作る、ということ。言い換えれば、伝えたいことを表現するのではなく、見る人の心の中に伝えたいことを組み立てていく感覚です。それができれば、きっとお客さまの心のコップから、ドバドバと「買いたい」があふれてくるのではないかと思います!
最後に、ちょっとこわごわですが、皆さまにご質問です。今回のコラムの感想はいかがでしたでしょうか?「分かりやすかった」と思っていただけたら、とてもうれしいです。