loading...

電通報ビジネスにもっとアイデアを。

ミラノ万博まで2カ月切る

2015/03/11

    食をテーマにした初の万博「2015年ミラノ国際博覧会」(以下ミラノ万博)の開幕までいよいよ2カ月を切った。日本館の主催者である農林水産省と経済産業省、日本貿易振興機構(ジェトロ)は3月5日プレス発表会を開き、展示内容の詳細などを紹介した。ミラノ万博は、5月1日から10月30日までイタリア・ミラノで開催が予定されており、「地球に食料を、生命にエネルギーを」をテーマに約110ヘクタールの会場に140を超える国と国際機関が参加、2000万人の来場者を見込む。

    冒頭の主催者あいさつで、農水省大臣官房審議官・長谷部正道氏が「ミラノ万博は世界に日本食をアピールする絶好の機会。継続的な後押しにつなげたい」、経産省大臣官房審議官・佐々木良氏は「和食器やアニメなどクールジャパンを積極的に打ち出したい」、ジェトロ理事長・石毛博行氏は「日本食の知恵と技は未来を切り開く。日本の貢献を見せたい」と語った。

    日本館のテーマは「Harmonius Diversity ー共存する多様性ー」。そこに込められた「自然を慈しみ、食に関わるさまざまな人びとを想う、感謝の気持ち」のメッセージを、産地から食卓までの「食を巡る遥かなる旅」の体験を通して、来場者に届ける。展示は九つのパートで構成され、古い日本家屋がモチーフの部屋でそれぞれのシーンが展開される。展示プロデューサーの電通・内藤純氏はビデオ映像で全体概要を紹介し、「いよいよ2年間積み上げてきたものを見ていただける」と意気込みを伝えた。さらに、二つの部屋の展示制作を担当するチームラボ代表・猪子寿之氏が登壇、制作に当たって「鑑賞型ではなく体感型」「世界初の映像空間」「アート」であることを意識したと説明した。

    「シーン1 HARMONY1」では、自然と寄り添い、多様な恵みを育む日本の食の産地を表現。壁に設置されたハーフミラーの無限反射と映像装置を組み合わせた幻想的な空間では、最新のプロジェクションマッピング技術により、四季折々の農村風景を演出する。
    「シーン2 DIVERSITY」では、日本の農と食、食文化の多様性と広がりを伝える1000を超えるコンテンツが、デジタルの「滝つぼ」に流れ落ちる。来場者がコンテンツに手を触れるとさまざまな情報が映し出され、さらにスマートフォンに取り込むこともできるインタラクティブな仕組み。

    会期中には、各参加国をたたえるナショナルデーが設けられており、日本の「ジャパンデー」は7月11日に決定している。当日会場中で公式式典や催事が行われ、中でも文化公演は屋内最大規模となる。発表会ではパフォーマンスを披露する宝生流二十世宗家の宝生和英氏と和太鼓グループの打打打団 天鼓が登壇した他、歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさん、書道家の紫舟氏、三味線の吉田兄弟がビデオメッセージを寄せた。また、日本館に協賛するJAグループのイメージキャラクター「笑味ちゃん」が、イタリア国旗をモチーフにした「ミラノ仕様」の衣装で登場し「日本の食や農の素晴らしさを伝えたい」とアピールした。

    宝生和英氏
    「自然の英知はまさに能楽に通じる」と語る宝生和英氏
    打打打団 天鼓
    打打打団 天鼓「伝統と革新、その両者が共存する日本のかっこよさを伝えたい」

    レストランエリアでは、本格日本食レストラン「美濃吉」による日本最高峰の京風カウンター懐石の他、壱番屋、柿安、サガミチェーン、モスバーガー、人形町今半、京樽が出店するフードコート「ジャパン スター ダイニング」が展開される。発表会で登壇したミラノ万博日本政府代表・加藤辰也氏は「日本の外食産業がまとまった形で外国に紹介されるのは初めての機会」と意気込みを語った。

    その他、ファッションデザイナーの嶋崎隆一郎氏がデザインを手掛け、東レが制作したアテンダントのユニホームも披露された。 最後に日本館の特別大使として、日本発のキャラクター・ハローキティが就任。ミラノで活躍するファッションデザイナー荻野いづみ氏の「アンテプリマ」ブランドに身を包んだキティちゃんが登壇し、就任セレモニーが行われた。サンリオ取締役・下村陽一郎氏は「ハローキティは現在130の国と地域で展開しており、中でもミラノは欧州の要。特別大使に選ばれたことは、本当に名誉なこと」と喜びを表した。

    キティー