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シンブン!今だからできること。今しかできないこと。No.27

地方創生に挑む地方新聞社(6)

百貨店に進出し事業者の販路拡大に貢献!

2015/07/10

~地方紙は今、読者との絆を財産に、新機軸の取り組みにチャレンジしている~
今、地方新聞社は、地元での強いネットワークを生かし、新たな事業を創出、地域活性化に大きく寄与する取り組みを展開しています。各社は従来の枠を超え、新領域で次々と地方創生につながる成功事例を生み出しています。本コラム「地方創生に挑む地方新聞社」では、そんな取り組みの中からユニークな事例をピックアップし、6週連続でお届けします!


 

地方創生に挑む地方新聞社(6)

 

47CLUB

百貨店に進出し事業者の販路拡大に貢献!

独自の取り組みで販売増から、地域活性化へ

地方の小規模事業者へ新たな挑戦の機会を提供し、地元商品の販売力向上ノウハウの構築、伝達を通じて地方ビジネスのすそ野拡大に貢献している47CLUB。全国の地方新聞社が推薦する地元の食や名品を提供するサイトとして2007年に開業した。電通と連携したアイデアあふれるカタログギフト「贈りもの弁当」でも知られているが、最近は同社が運営する百貨店催事が注目されている。
百貨店、事業者双方に資するビジネスモデルが理由だ。百貨店はバイヤーを使って商品を探さなくても、1300店舗2万7000商品、しかも地方新聞社厳選という信頼性の高い商品から、他店にはない魅力的な催事ラインアップを構成できる。加えて地元メディアによる絶大な広報力もある。そのため、百貨店との取引実績や経験のない小規模事業者も進出の機会を得られるのだ。さらに、地元新聞社の“お墨付き”によって事業者自体の信頼を獲得する。

特筆すべきは事業者をサポートする「百貨店催事セミナー」だ。取材に応じた47CLUB取締役販路拡大本部長の長倉潤氏によると、このようなセミナーは類を見ないとのこと。膨大なノウハウの蓄積を基に、販売ブースに持ち込む商品のロット数や価格設定などの準備段階から、ブース全体の飾り付けや試供品のサイズ、来場者への声の掛け方など販売技術まで詳細なノウハウを提供する。これらのボトムアップ効果もあり、今では催事で年間数千万円売り上げる店舗も出てきた。

長倉 潤氏
長倉 潤氏

また、47CLUBが提供する事業者同士の関係づくりも魅力の一つ。懇親会などを通じ、売り上げの高い事業者が難航する事業者にノウハウを伝授したりと、経験の少ない事業者も意欲的に継続していける雰囲気が、47CLUBならではの特長だという。
こうした取り組みが高く評価され、全国商工会連合会「百貨店等の催事スペースを活用した地域産品等の販路開拓支援事業」を受託し、13年度は全国で10会場、14年度は8会場で物産展を開催するなど、年間約20会場を運営している。
全国主要百貨店から催事の要請が急増している。今後、順次開催する予定だ。