新しい言語
2016/02/26
引き続き、Vizeumイノベーションチームが注目する、世界のビジネスやコミュニケーションシーンを動かす10のイノベーションをご紹介します。
英国作家ジョージ・オーウェルは小説「1984」の中で、語彙が大幅にそぎ落とされ単純化された新語法「ニュースピーク」を予言した。2015年、メッセージアプリの台頭に後押しされる形で、よりスピーディーで簡単なコミュニケーションを可能にする絵文字やインターネット・ミーム、GIF画像などに感情を単純化して託す、新たな「ニュースピーク」が生み出された。
絵文字は急速に広がり、21世紀のポップカルチャーに組み込まれ、モバイル最優先のコミュニケーションにおいて言葉の壁を超越した。英オックスフォード辞書が毎年発表する「今年の言葉」2015年に選出されたのは、絵文字の「うれし泣き顔」。多くのブランドが広告ツールとして絵文字の流行に飛びつき、「アド文字」現象も引き起こされた。
この瞬時に感情を伝えようとする新たなコミュニケーション手段は、今後さらにカスタマイズされ創造性を高めていくだろう。
2016年はどうなる
体に装着するウエアラブルデバイスがますます浸透し、Facebookに続いて各SNSサービスも独自のリアクション機能を拡充する中、素早く、一目で伝わる「ニュースピーク」はモバイルの小さなスクリーンでのコミュニケーション手段の大前提となっていくだろう。各企業は、自社の製品やサービスに関連する感情を表す独自の視覚表現を開発し、顧客の共感を得ることが成功の近道となるだろう。