AD STARSで電通が「ネットワーク・オブ・ザ・イヤー」に
2016/09/02
「釜山国際広告祭」(AD STARS)が8月25~27日、韓国・釜山で開催され、電通グループは二つのグランプリを含めて61の賞を獲得、「ネットワーク・オブ・ザ・イヤー」に顕彰された。今年は61の国と地域から1万8000点以上がエントリーされ、過去最多の応募となった。
デザイン部門でグランプリに輝いたのは、パナソニック「Life is electric」。普段存在を意識することのない電気を、目に見える形で表現。動画では、かわいいハムスターや、公園で遊ぶ子どもたち、元気なチアリーダーなどの運動によってつくられた電気で、21本のニッケル水素充電池「エネループ」を充電する様子が描かれている。PR部門およびプリント部門でもゴールドを受賞した。
フィルムクラフト部門ではマルコメ「世界初かわいい味噌汁」がグランプリを受賞。マルコメと「KAWAII」を世界に発信するアソビシステムがコラボして開発した、これまでにない新しい味噌汁を訴求する。
電通グループではその他、北京電通制作のシトロエン「Fami Navi」がダイレクト部門でシルバーを、また電通シンガポール制作のRegional Environmental Awareness「Boy」がプリント部門でブロンズを受賞するなど海外拠点も成果を挙げ、ネットワーク・オブ・ザ・イヤーに貢献した。DANアジア全域でクリエーティブを担うテッド・リムCCO(チーフ・クリエーティブ・オフィサー)は「アジア拠点の活躍も認められて嬉しい。今後もお互い刺激し高め合いながら、電通グループ全体で前に進んでいきたい」と喜びを表した。
AD STARSは、2008年に釜山市、韓国政府の支援を得て設立された国際広告祭。釜山国際映画祭やビーチリゾートでも知られる同地での開催が、カンヌライオンズをほうふつさせる。スパイクスアジア、アドフェストと並ぶアジアの祭典だが、他の二つと異なり、全世界からの作品を対象とする。審査員やセミナーでの スピーカーたちの顔ぶれも極めてインターナショナル。インテグレート・カテゴリーを除きエントリーフィーが無料で、応募の門戸が大きく開かれていることも 大きな特徴の一つだ。
学生を対象としたコンペティション「Young Stars」やキャリア3年以下の若手を対象とした「New Stars」など、若手クリエーターの育成にも熱心に取り組む。後者では今回、電通の加藤千洋氏と檀上真里奈氏がブロンズを受賞した。
台頭するマーケティングテクノロジーやブランデッドエンタテインメントなど、領域の拡張にも積極的で、今年は新たな試みとしてゲーム領域に特化した展示プログラム「GAME STARS」を打ち出した。さらに、国際マーケティングカンファレンス「アドテック」の韓国初上陸となる「ad:tech@ AD STARS」が併催され、デジタルマーケターとクリエーターの交流が図られた。