物流の現場から起こるモビリティーのイノベーション!「MOBILITY NEXT 2016」を開催
2016/09/16
日経ビジネスと日経Automotiveは9月9日、セミナー「MOBILITY NEXT 2016 MOBILITYの進化は物流ビジネスをどう変革するか」(特別協賛:電通)を東京・港区の品川プリンスホテルで開催した。
同セミナーは、小口配達の増加や人口減少・高齢化による従業員の確保の難航といった課題が存在する物流において、新技術の導入によって産業の未来はどう変革していくのかを探ることを目的に行われた。
まず第1部では、ローランド・ベルガー日本法人社長、工学博士の長島聡氏が「物の流れのイノベーションによるビジネス変革」と題した基調講演を実施。IoTによってさまざまな産業の知見がつながり、産業のサプライチェーンに大きな影響を及ぼす可能性があること、そして新技術によるモノの運搬から生まれる新たなモビリティービジネスが産業のサプライチェーンをどう変革していくかなどについて言及した。
続いて、スカニアジャパン東京本社プリセールス シニアプロダクトサポートマネージャーのマーカス・セーゲルステッド氏が登壇し、通訳は同社プリセールス部長の中井誠氏が務めた。「欧州におけるSCANIAのトランスポート・ソリューション」をテーマに、無人走行や効率の良い輸送形態など同社が行っている四つの事例などについて紹介した。
第1部の最後は電通総研チーフ・プロデューサーの白州達也氏をモデレーターに、長島氏、セーゲルステッド氏、中井氏の他、電通総研所長の大越いづみ氏を加えてパネルディスカッション「Mobilityの進化によるビジネス大変革」を実施。規制の厳しい日本では、人員不足に悩む物流の現場からイノベーションが起こるのではないかという仮説のもと、モビリティーの新技術で何がどう変わり、ビジネスがどう変化していくのかを議論した。
第2部では、ローランド・ベルガー日本法人プリンシパルの小野塚征志氏が「Mobility技術の進化によるLogistics4.0の実現」と題した基調講演を実施。倉庫ロボットや自動運転の普及などIoTの進化がもたらす「Logistics4.0」と称されるイノベーションによって、メーカーは物流ビジネスの変化を見すえた新たな付加価値の創出が必要であることなどを語った。
続いて、セイノー情報サービス取締役、工学博士の早川典雄氏が「Mobilityの進化で物流のビジネス構造が変革する」についてプレゼンテーションを行った。効率よりも安全を強化するための新技術やIoTの活用がビジネスの持続性につながること、ドライバーの減少といった業界の課題においては省力化の手段としてIoTや自動運転の検討を進める方が日本企業に合うなどと言及した。
第2部の最後は、電通総研シニア・コンサルティング・マネージャーの山田修康氏をモデレーターに、小野塚氏、早川氏によるパネルディスカッション「新技術とビジネスメンタリティ 物流からみたビジネス変革を予見する」を実施し、これからの物流ビジネスに不可欠と思われる提言を発表した。