アリババ「独身の日」の恒例Eコマースイベント 広告業界も対応に追われる
2016/11/10
中国Eコマース最大手、アリババは、同国で「独身の日」とされる11月11日に恒例の大型セールイベント「双11」(ダブルイレブン)を実施する。同社が2009年にスタートした同イベントは、今やグローバル企業が参加する世界最大のEコマースの祭典にまで成長。今年は、過去最高を記録した2015年の24時間の総取引額143億ドルをさらに上回ることが予測されている。イベントに向けてケイティ・ペリーやワン・リパブリック、NBAスターのコービー・ブライアントなど著名人を起用した大型プロモーションが行われている。
アドエージによると、「双11」は広告業界にも多大な影響をもたらしている。多くの広告会社が、広告主のオンラインショップの運営やプロモーションの実施、競合ブランドの活動へのリアルタイムでの対応などに24時間体制を組む。
デジタルエージェンシーのVMLでは、中国での下半期の活動の7~8割が「双11」に関連するという。同社のイーチャン・タイCEOは、「中国でマーケティングキャンペーンといえば、真っ先にEコマースを促進するかどうかが問われる」と強調する。
中国のデジタルエージェンシーHylinkの米サンタモニカ拠点を率いるハンフリー・ホー氏は、米国でのクライアント対応に追われている。「広告業界は『双11』に対して、オリンピックや大型の国際スポーツイベントと同じような対応を迫られる。競合の動向を把握しながら、常にメッセージを変えるなど、ライブで臨機応変な施策が必要だ」と説明する。
サーチアンドサーチも、「双11」への準備を7月から開始するという。同社のチーフ・コマースオフィサー、シリル・ドラウイン氏は「中国で活動する企業にとって、通常の一カ月の売り上げを1日で達成する『双11』への参加は選択の余地がない。関わりを持たない企業はもはや殆どいないだろう」と語る。イベント当日は、場合によっては36時間体制で、クライアントも一緒に対応にあたるという。
出典 Ad Age
Alibaba's Huge E-Commerce Fest Has Changed the Game For Agencies in China